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南充浩 オフィシャルブログ

福袋の購入をお勧めしない理由

2016年1月4日 お買い得品 0

 あけましておめでとうございます。

2日にバーゲンの視察にでかけた。
関西は13度越えという暖かい気温もあって予想通り人出が多かった。

しかし、困ったことに筆者には「バーゲンだから欲しい」というアイテムやブランドが存在しない。
2010年以降それが顕著で、その理由は毎月の平常月に、底値近くまで値下がりしたSPAブランドの商品をチョコチョコと買っているからだ。

取り立てて、足りないという物がない。

そして、今冬だと12月から商品が値下がりしており、正月だからさらに値下がりするということもない。
12月に値下がりしたまま同じ割引率で新年を迎えたという商品も数多く見られた。

となると、「1月2日に絶対に買わねばならない」という商品は少ない。
店頭の滞留在庫数を見ながら「成人の日の3連休が終わるとさらに値下がりするのではないか」と推測されるため、さらに値下がりするまで待とうという結論になった。

とりあえずブラックのストレッチパンツは欲しかったので、消費税込で3000円以下で買えるのは無印良品しかないということからまず、難波の無印良品のビルへ出かけた。

9時55分くらいに到着したらすでに長蛇の列で、ざっと数えたところ30人以上は並んでいた。
開店を待っているのかと思ったら、どうやら入場制限状態だったらしく、店内はすでにひどい人ごみだった。
この時点で「福袋は完売しました」というアナウンスが繰り返されており、開店と同時に完売したようだった。
すごい人気ぶりである。

で、店内に入ると、レジにすさまじい人が並んでおり、それが何重にも店内を回っている。
とてもではないが商品を見るどころではないので早々に退散して天王寺に向かった。

天王寺ではジーンズメイトに向かった。
エドウインのダークグレーのストレッチパンツが半額で5000円になっていることを12月中にすでにリサーチしてあったからだ。

ここも店内の商品の値段はほとんど12月と変わっていない。
1月2日だから買わなければならないという商品はない。
そのストレッチパンツくらいだが、1月1日に行くとクーポンでさらにレジで3割引きになったが、失敗してしまった。
税込5400円で購入したが、1月1日に行けばさらに1500円安く買えたのに、戦術の構築に失敗してしまったといえる。この1500円の損失は限りなく大きい。

しかし、せっかく出てきてこれだけで帰るのもちょっとあほらしい気がしたので、ハルカスの専門店街「ソラハ」を突っ切って、阿倍野アンドとキューズモールを冷やかした。
「ソラハ」を突っ切った際に、2階の連絡通路で大手アパレルの某ブランドの福袋がワゴンで販売されていた。
もちろん、販売員さんたちが大声で呼び込んでいる。
この時点での残りはざっと7つ~8つ。

冷やかしてはみたものの特に目ぼしい物はなかったので、キューズモールのユニクロに向かった。
そういえば、MA-1タイプのウルトラライトダウンジャケットが12月中に元値7990円から3990円に値下がりしているのを思い出した。
オッサンがMA-1タイプのブルゾンに挑戦するのは危険度が高いが、この値段なら失敗してもあきらめがつくので、売り場で探した。

これは黒無地、紺無地、グリーンの迷彩の3色展開だったが、グリーンの迷彩は難度が高い上から最初から除外である。
たまに天神橋筋商店街でこのグリーンの迷彩を着たオッサンを見かけるが大概が似合っていない。
ガラの悪いマイルドヤンキー崩れにしか見えていない。これを着こなすのは、長身の容姿の整った人以外無理だろう。

黒と紺で悩むところだが、筆者は光沢のある黒は苦手なので必然的に紺無地を買った。

IMG_0694

(20年ぶりに着用に挑戦するMA-1タイプのブルゾン ユニクロのウルトラライトダウン)

これでバーゲンは終了である。あとは3連休以降に再値下げされた商品をいくつか買う程度になる。

そして帰りにまたソラハの2階連絡通路を突っ切った。
先ほどの大手アパレルの某ブランドの福袋はまだワゴンに残っている。
おそらくほとんどあれから減っていない。

開店と同時に完売した無印良品の福袋と、最後に残った7~8個が売れない大手アパレルの某ブランドの福袋。
中身は両方とも至れり尽くせりだと思うが、ブランドによってはこれほど売れ行きに差が出てしまう。
その差は何だろうか。
失速著しい大手アパレルの某ブランドは福袋の売れ行きも鈍いようだ。

移動している間、一人でいくつもの福袋を抱えた人をたくさん見た。
しかし、福袋をそれほど大量に買い込む必要があるのか疑問である。
もちろん転売目的で買いこんでいる人もいるだろう。それはそれで一つの小遣い稼ぎなのでお好きにどうぞである。

個人需要として福袋で洋服を一式そろえるよりは、店頭の底値商品で一式そろえた方がコストパフォーマンスが高い。
筆者は絶対に福袋は買わない。不要な商品まで付いてくる。

昨年も書いたと思うが、福袋に入っている商品は「福袋用」としてわざわざ作られた商品である。

店頭在庫を詰め込んだ福袋の方が本来はコストパフォーマンスは高い。
作られた製品は、5枚1万円という販売価格に見合ったコストで製造されている。

たとえば、ジャケット、ニット、シャツ、パンツ、ベストの5枚セットが1万円の福袋に入っていたとする。
これがすべて福袋用として「わざわざ作った」商品だと、5枚で1万円に見合ったコストで製造されている。

おそらく、ジャケット3000円、ニット1500円、シャツ1500円、パンツ2000円、ベスト2000円程度の販売価格を見込まれているはずだ。
そして、平均原価率を業界水準の30%だと仮定すると、ジャケット900円、ニットとシャツは450円ずつ、パンツとベストは600円ずつの原価で製造されていることになる。

これが通常店頭用商品だとジャケットはいくら安くても7000円や8000円はする。
ユニクロでも5990円だ。

安くてもニット、シャツは3000円くらい、パンツとベストは4000~5000円くらいだろう。

それぞれ30%の原価率で作られているとしたら、ジャケットは2000円前後、ニットとシャツは900円、パンツとベストは1500円くらいである。

どちらの商品の方が品質的に良いかは一目瞭然だろう。

だから筆者は福袋をお勧めしない。
まれに今でも店頭の売れ残り在庫を詰め合わせた福袋を発売するブランドがあるが、こちらの方が本来はお買い得なのである。
通常の福袋はお買い得でもなんでもない。値段相応の商品が入っている。

まあそんなわけで成人の日の3連休以降の再値下げに期待したい。




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