ユニクロのデザイナーコラボ、「ユニクロ アンド ルメール」が発売され、遅ればせながら店頭で現物を見て来た。

さすがの人気ぶりで、メンズだけの話でいうと、かなりの品番が品切れ・サイズ切れを起こしていた。

何品番か試着をしてみたが、筆者の体格だと、品番によってMとLサイズを使い分けるということになりそうだ。
例えばセーター類だとMでも着られなくはないが、かなりピタっとするのでLサイズの方が良いかもしれない。
あと、セーター類は概して手首のリブがきつめなので、それを考えるとLサイズの方が良いだろう。

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(Mサイズでも着られたが手首のリブがきついのでLサイズの方が良いか?)

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(こちらはLサイズの方がよかったが店頭はサイズ切れを起こしていた)

またテイラードタイプのジャケットは確実にLサイズだったが、トレンチコートはLサイズでは大きすぎたのでMサイズの方が良いのだろう。

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(上はLサイズ、下はMサイズがちょうどだった)

前開きのスタンドカラーのスエットジャケットがあったが、これはLサイズでは大きすぎるのでMサイズを選ぶべきであった。

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それとこの商品は、ウェブサイトで見て想像するよりも生地が薄い。
ユニクロの通常のスエットシャツ(トレーナー)の生地感を想像していたが、実際はそれに半分程度の生地の薄さである。
やっぱり画像だけで生地を想像することは危険である。実際に触れてみないと生地感はわからない。

「ショールーミングが~」と闇雲に叫ぶ人や、「ウェブは敵だ」と数年前まで叫んでいた某展示会会社の現社長のような寝言を言う人には賛成しないが、実際の生地感を触れるということは、リアル店舗にとって大きな武器になるだろう。
あと、試着してフィット感が確かめられることもウェブにはないリアル店舗の大きな武器である。

このあたりを強調できればリアル店舗の活路もあるのではないかと思う。

商品についての感想だが、白、黒、オリーブ、ネイビーの4色展開を基本とし(品番によっては2色とか3色展開)、形もミニマルベーシックであることから、ジル・サンダー氏とのコラボだった+Jの延長線上の企画だと考えられる。
ベーシックを基本とするユニクロの強みが生かせる商品設計である。

+Jと異なる点は、モード色の強かった+Jに対して、ショールカラーを多用しているなどのディテールにはフレンチっぽい柔らかさがある点である。
鋭角的なイメージの+Jに対して、少し角度を丸めたと表現したら分かり易いだろうか。
どちらが良いか悪いかではなく、消費者個々の好き嫌いの問題だろう。

ルメールがいつまで継続するかはわからないが、今後もデザイナーズコラボは続くだろう。
各デザイナーが自分流にアレンジしたミニマルベーシックという切り口で継続するのではないかと考えられる。

さて、先日、日経ビジネスオンラインで、決算発表の席上での「欠品問題」が言及されたが、このルメールは欠品の嵐である。

実際問題として、ユニクロの通常ラインでもこのルメールでも過不足なく生産するというのは不可能である。
その不可能に挑戦し続けているのが柳井正会長で、その向上心と言おうか克己心と言おうか、モチベーションの高さには敬服するほかないが、それを追い求めすぎても仕方がないのではないかと思う。
そんな神業のような需要予測が体得できるのなら、アパレル各社はここまで苦戦していない。
どこかで折り合いをつけるべきではないか。

それにはいわゆるオンライン通販との連動が効果的だろう。
すでにユニクロのオンライン通販は200億円以上という莫大な売上高がある。
単体ブランドでは業界トップの売上高ではなかったかと記憶している。

しかし、店頭との連動性でいうとかなり疑問である。

欠品の嵐であるルメールだが、オンライン通販ではほぼ全品番の全サイズがそろっている。

それこそ、先日、釼英雄さんがブログで指摘されていたように、「各店舗に試着用を全品番・全サイズを1枚ずつ置いて、素材感・フィット感を確かめさせてからウェブで購入できるようにすれば良い」のである。

http://blog.goo.ne.jp/souhaits225/e/9501b34cfd5d8f6089eeb2f317b4d941

だとすれば、せめてパンツくらい、試着専用サンプルを置いててもいいのではないか。

 いくらネット通販で丈上げ対応、返品送料を期間限定で無料にしても、お客にすればサイズが合わなかった、色がイメージと違ったなどの理由で、返品交換しなければならないのは非常に面倒である。

 しかも、そうしたタイムラグがあることで、買いたかった商品が逆に売り切れてしまうのは、堪らなく辛い。

 オムニチャンネル戦略を想定すれば、店頭販売とE-コマースをスムーズに連動させることが重要になる。ならば、せめて試着用として1カラーでいいから、全サイズ準備していても良いのではないか。

 そうすれば、お客も安心して、ネット購入に移ることができる。むしろ、ユニクロのような業態こそ、ショールーミングを充実させ、実際にはネットで購入する方が合っているように思うのだが。

とある。まさにルメールの売り場を見て激しく同意した。
まだまだウェブとの連動性は理論上高められる。企業側が実施する気があるかどうかは別だが。

これができて初めてオムニチャネルが一歩進んだといえるのではないか。
ナンタラ組合のエライサンとかナンタラ協議会のエライサンも呪文のように「オムニチャネルガー」と繰り返すだけではなく、釼さんほどの具体策を提案してもらいたいものである。(笑)

あと、話は逸れるが、アンド ルメールの商品品質はまずまずであり、これが値引きされればかなりのお買い得品だといえるが、リアル店舗の陳列は相変わらずである。

デザイナーズインビテーション、+Jと経て来ても陳列だけは量販店とあまり変わらない。
ディスプレイとかマネキンのコーディネイトのことを言っているのではない。
棚に山積み、ハンガーラックはかけすぎでギチギチになって商品を取り出せない。

アンド ルメールでもそこはまったく進歩していない。

店舗のスペースは限られており、小さな場所に押し込まねばならなかった苦労は理解できる。

実際に店頭で立っていたときには、筆者もそれで苦労した。
しかし、デザイナーズコラボはそのままのやり方ではせっかくの良さが生かせない。

+Jが終盤シーズンで失速したのは、変わり映えのしないミニマルベーシックな商品テイストが飽きられたという点に加えて、陳列があまりにも量販店然としすぎていたからではないかと思っている。

その次のUUでも量販店然とした陳列は変わっておらず、商品が安っぽく見えた。

今のアンド ルメールの陳列も同じである。

店頭でのスペース確保が難しいなら、なおさらオンラインストアとの連動性を高めるべきだろう。
それに見た目もウェブサイトの画像の方が綺麗で高級感がある。少なくとも量販店然とした店頭陳列よりは格段に。
何のために店内放送でアプリ登録のオススメをエンドレスリピートで流しているのだろうか。

この連動性を高めたら、デザイナーズコラボラインの売上高は飛躍的に伸びるのではないかとも思う。
やる気があるかどうかは知らないけれど。