先日、ある小規模カジュアルブランドの展示会にお邪魔した。

このブランドは別に国産に固執しているわけではなく、アイテムによって海外生産と国内生産を使い分けてきたという感じだが、3年くらい前から国内生産の方が増えた。

昨年くらいはほぼ国内生産品だけになっていたのではないか。

ところが国内生産が増えると、海外生産のありがたみも増すらしい。
というか、国内工場も千差万別でピンキリ状態である。

「国内生産=一様に高品質」というわけではない。
低レベルな工場もある。
それを痛感し始めたようだ。

来期からは再び、中国をはじめとするアジア地区での生産も視野に入れるという。

1ブランドの動向だけで全体を推測することはいささか早計かと思われるが、他ブランドでもこういう動きは今後増えるのではないかと思う。

まして、国内の縫製工場が込み合っているという状態が長く続けば続くほど海外生産に活路を見出すブランドは増えるだろう。

そうなると、ある程度評価の高い縫製工場は受注を維持できるが、あまり評価の高くない縫製工場や下請け的な立場の縫製工場は受注が減るのではないだろうか。

さて、別の子供服ブランドにお邪魔すると、超ベテラン企画担当者が「国内の縫製工場は込み合っているというが、ぜんぜん受注の増えない工場もたくさんある」という。

たしか、以前に掲載された繊研新聞のアンケートでも国内生産が増えたと答えた業者はあまり多くなかったと記憶している。

その原因の一つには、縫製工場が自己発信をしておらず、直接・間接の知り合いからの紹介以外では調べにくいからということがある。
自己発信といってもそれほど大げさなことではなく、自社ウェブサイトを持っているかどうかという話である。
最低限として得意分野、目安となる料金体系、連絡先が書かれていればそれで充分である。

サイトを作るのが無理なら、ゆるゆるとしたブログでも構わない。
ただし、本業のことをある程度書いて、連絡先を表記した上で、週に2回なら2回、3回なら3回と定期的に更新すれば良い。

なぜなら、今、多くの人は調べたいことがあれば、ウェブで検索する。

検索にひっかかるかひっかからないかでは大きな違いがある。
検索にひっかかれば、何社かからの問い合わせはあるだろうが、引っかからなければ紹介に頼るほかない。
「知られていないのは存在しないのと同じ」なのである。

そのためにウェブサイトかブログは必要である。

最近、注目しているのが、ファッションいずみのブログである。

http://fashion-izumi.jp/blog/

更新頻度は3日か4日に1度のペースだが、積み重ねることに意義がある。
記事が蓄積されればそれだけウェブ検索に引っかかり易くなる。
必然的に問い合わせも増えるだろうし、受注も増える可能性がある。

書いてある内容は、そこまで専門的なことではない。

よく、製造・加工業者にブログの更新を勧めると「あんまり初心者みたいなことは書けない。かと言って詳細に書くと取引先に迷惑がかかる云々」と言って、書くことを拒否する人がいるが、別に超専門的なことなど書く必要もない。

要は会社案内みたいなものだと割り切れば良いし、問い合わせをしてくるブランドやアパレルはほとんどの場合、工場側よりも製造・加工に関しては素人なので、その素人の興味を惹く程度の専門性で十分なのである。
超専門的なことを書いて同業他社に賞賛されたところであまり意味はない。

製造・加工業者の中には、後継者不足で自分たちの代で廃業を決めているところも多くあると聞くが、後継者がいて事業を存続するならこれくらいのことはやるべきだろう。

書かないよりは書いた方が良い。
書くことがなければ今日の昼ごはんでも良いが、そればかりでは意味がない。

どこまで専門性を出すか、というのはその事業主のスタンスや考え方があるだろうが、個人的にはファッションいずみくらいの書き口で十分ではないかと思う。

「これくらいなら書ける」と思う人はぜひとも取り組んでもらいたい。