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南充浩 オフィシャルブログ

襟なしブームとMA-1の因果関係は?

2015年10月5日 未分類 0

 米軍のフライトジャケットであるMA-1の人気が今秋冬はマス化しそうである。

2~3年前からMA-1の人気は回復していたが、どちらかというとトレンド先端層とそれに追随するフォロワー層がメインで、マス層ではなかったと考えている。

これがマス層に広がった理由の一つとして、「襟なし」ブームが起きたおかげではないか。
ファッションの流行というのは往々にして複合的である場合が多い。
実際のところ、MA-1人気が先行していたから「襟なし」ブームになったのか、「襟なし」ブームが起きたからMA-1人気がマス化したのかは筆者にはわからない。
このあたりはファッションに詳しい人に解説していただきたい。

MA-1というと、バブル期に大学生を中心に大人気だった防寒アウターである。
筆者も少しブームに遅れて95~97年くらいの間に1着買った。
当時、本物を買うことなんて思いもよらなかったが、アルファインダストリーの製品は欲しかった。
定価で買うと、当時9800円とか12000円くらいしていたと記憶しているのだが、ある日、地元にあるイズミヤに寄ったところ、イズミヤのカジュアル平場で3900円くらい(記憶があいまい)に値下がりしているシルバーグレーのを見つけたので、何の迷いもなしに買ったことがある。
本当はオリーブグリーンが欲しかったのだが、値段の誘惑には勝てない。

そこから数年愛用したのだが、細身トレンドには乖離し始めてきたので捨てた。
当時のMA-1は身幅と袖幅が広くて、丈が短くリブで絞られている。
まあ、これが本来のシルエットなのだが、タイトシルエットがトレンドになると、ミリタリーマニアでもない限り着用するのはちょっとはばかられる。

そのあたりから、MA-1を着用しているのは真冬の現場作業員くらいに限られてきた。

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(着ると誰でもマッチョ体型に見える往年のMA-1)

で、3年くらい前からジワジワと先端層に支持され始めたのだが、そのときからMA-1はトレンドに合うように細身にリファインされていた。

ただ、「襟なし」のアウターは着こなしが難しい。(と思っている)
だから、筆者自身は着ることにためらいを感じている。
まあ、だれも筆者にMA-1を再度着てほしいなんて思っていないだろうが。

ただ、今春夏は「襟なし」のバンドカラーシャツが注目を集めた。
ユニクロやウィゴー、ライトオンでも売られていたのだからそれなりにマス化していたのだろう。
今秋物はその流れを汲んで、「襟なし」のカジュアルジャケットや丸首のカーディガンなどがメンズでも売られている。
先日、覗いたライトオンでは、早くも襟なしの綿カジュアルブルゾンが2900円にまで値下げされていた。

筆者のオッサン的感性でいうなら、バンドカラーシャツや襟なしのブルゾンを多く見るようになって、やっとMA-1にも興味が湧いてきたというところであるが、本来のMA-1をオッサンが着るのは危険だと思う。

オッサン世代で流行に便乗してMA-1を着ようと思っている人はおられるだろうか?
おられるとしたら、当時のを引っ張り出すのは相当に危ない。

細身にリファインされた現在の商品を着るべきである。

着るだけでマッチョ体型に見えるから顔のデカい人が着ると本当に不恰好である。
顔のバカデカい筆者は絶対に避けて通らねばならないアウターだといえる。

顔が小さくて体格が華奢な人でないと、当時のMA-1は似合わない。
華奢な体格の若い女性がダボっと着ているのが一番似合うのではないか。

リファインされた細身のMA-1は今秋冬は様々なブランドから発売されている。
本格派ならナイロン素材なのだろうけど、そこらへんのオッサンが飛行機やら戦闘機を操縦するわけではないからポリエステル素材でも綿素材でも素材はなんでもかまわない。
防寒アウターとして寒くなければそれで良い。

こんなイメージの商品を着ると良いのではないかと思う。

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今後、MA-1タイプのブルゾンも防寒アウターの一種として市場には定着するのではないか。

それにしてもビッグトレンドというのは、何段階かにわけてジワジワと浸透するものだと改めて思った。
先端層が飛びつき、フォロワー層が追随する。何シーズンか遅れてマス化する。
ビッグにならないトレンドは先端層かフォロワー層だけで終わってマス化しない。

先端層が言う「トレンド」と、マス層が思う「トレンド」が多くの場合食い違っているのはそのためだ。
マス化しないトレンドなんて一般大衆には知られていないし、いわば存在しないのも同じである。




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