ブランドや企業の知名度を高めるためには広告出稿は必須である。

最近だとウェブ広告が効果を高めてきているが、以前よりも影響力が低減したとはいえ、新聞・雑誌・テレビの広告はそれなりの影響力を維持している。
今後徐々に影響力は低減し続けることは間違いないが。

業界内での知名度を高めるためには業界紙への広告というのもそれなりに効果がある。

で、以前から何度も書いてきたが、広告出稿をするならば、開始当初から複数回の出稿をあらかじめ予定してその予算を確保してから開始すべきである。

これがリーバイスとかルイ・ヴィトンほどの著名なブランドなら話は別だ。

年に1回しか広告を出稿しなくてもブランド名は浸透しているし、広告を出稿したという事実も覚えてくれている人が相当数できる。

しかし、新規ブランドとか新規事業者ならそれは無理である。
1回だけの広告出稿なんて翌月には消費者から忘れ去られている。
同業他社からも忘れ去られている。

ブランド名も忘れ去られているし、広告出稿をしたという事実すら忘れ去られる。
覚えてくれているのは、広告出稿した媒体の営業担当者くらいだろう。

そう、人は忘れる生き物である。
耳慣れないブランドや事業者のことなど一瞬で忘れ去る。
忘れられないためにはどうするのか?

そのためには広告を定期的に出稿するのである。
また販促的な見地でいえば、定期的ではがきや封書で案内状を送るのである。

販促コンサルタントの藤村正宏さんがよくブログで書かれているが、
「3日前、1週間前に行ったレストラン覚えていますか?」である。

よほど有名なレストランや、よほどそのメニューが美味しかった場合は覚えているかもしれないが、 あまり知名度のないレストランだったり、メニューの味付けが飛びぬけて美味しかったとは思えない場合、1週間もあれば大概の人はその店のことを忘却する。

忘れ去られないように、はがきや封書で案内状やお礼状を定期的に送りましょう、というのがその対策である。

広告だって同じことだ。

聞いたことのないようなブランドや事業者が、ポッと1回切りの広告を掲載したところで翌週になれば大概の人は忘れ去っている。

だから忘れ去られないように何度か定期的に広告出稿をする必要がある。

筆者が業界紙勤務のときによくこんな広告の出稿をいただいた。

「今期の決算が黒字だったから1回だけ30万円の広告を掲載してあげるよ」

という出稿のやり方だ。
業界紙記者としては素直に「ありがとうございます」と頭を下げて、いただいておいたが、この広告出稿は実際のところ何の効果もなく終わる場合が多い。

なぜなら、この1回で終わるからだ。

読者は翌週にはこの広告自体の存在を忘却している。

それならその30万円で社員全員と宴会した方がよほど社内の士気が高まる。
媒体が業界紙じゃなくても同じである。

情報誌であれファッション雑誌であれ、大手一般紙であれ。

それらは掲載料がもっとけた違いに高くなる。
ファッション雑誌なら1ページで100万円というところが相場だろう。
2ページ見開きなら200万円、安くても150万円くらいである。

大手一般紙なら大きさと配布エリアによっても異なるが、全国版の全段ぶち抜きなら1000万円は軽く越える。

しかもそれだけの資金をつぎ込んでも1回きりなら翌週には忘却されているのである。

例えばその100万円、1000万円を社員に臨時ボーナスとして配る方がはるかに士気が高まるだろう。

こういう媒体でも広告出稿をするなら年間に複数回出稿することを前提とした予算を編成しなくてはならない。
1回きりの掲載なんてその100万円、1000万円はまったくの死に金となる。

それこそ社員に配分した方が何倍もマシである。

これから広告出稿を検討している企業は複数回の出稿を前提とした計画を立ててもらいたいと切に願う。



安売りするな! 「価値」を売れ!
藤村 正宏
実業之日本社
2011-12-08