好き嫌いは別にしてメンズのショートパンツというのは定着したのだろうか。
今年の梅雨は例年よりも涼しく感じるためか、昨年・一昨年に比べてショートパンツ姿の男性はやや少ないように見える。

個人的にはひざ上たけのショートパンツは部屋着以外では着用しない。
7分丈・8分丈くらいである。
汚らしいすね毛を他人様にお見せするのは気が引けるからだ。
かといって除毛・脱毛しようとも思わない。

足首を露出するだけでも相当に涼しさが変わってくるから夏場はだいたい7分丈・8分丈のズボンを穿いている。

涼しさとすね毛を両立させるには7分丈・8分丈くらいがベストではないか。

さて、そんなショートパンツだが、各社の店頭販売価格を見ると、長ズボンとほぼ同等の値段である。
思わず「高ッ」と思ってしまうのだが、以前にも書いた通り、友人の言葉を思い出す。

縫製工賃は長ズボンだろうとショートパンツだろうと変わらないのだそうだ。

例えばフルレングスのジーンズと、ひざ丈のジーンズショートパンツの縫製工賃は基本的には同じなのだそうだ。
言われてみれば、丈の長さ以外、デザインも同じだし、縫製仕様も同じだ。
だから縫製工賃が同じだと言われれば納得できる。

しかし、一方でショートパンツなのだから「安くて当然」と思う消費者は多い。
むしろこちらの方が多いだろう。

そういう消費者がなぜ「ショートパンツだから安くて当然」と考えるのかというと、

1つは使用している生地量が少ないということにある。

そしてもう1つは、ショートパンツが長らく部屋着的位置づけだったからではないだろうか。
レディースはファッションアイテムとして認知されていたが、メンズのショートパンツは長らく部屋着的な扱いであり、オシャレ着としての認知度が低かった。

部屋着に高額な料金を喜んで支払う消費者はかなりの少数派である。
別に誰に見せるわけでもない部屋着なんて安ければ安いほど良いし、外出着としては着用が憚れるようなクタクタのヨレヨレの着古した服で十分である。
どうせ誰にも見せないのだから。
穴が開いてようが、破れてようが、首回りがダルダルだろうが、構わない。

そういう物は高額では売れにくい。
だから店側もメーカー側もこれまでは販売価格を安めに設定していたのではないかと推察される。

しかし、製造コストでいうなら、長ズボンとショートパンツはほとんど変わらない。
生地代くらいしか変わらないといえる。
長ズボンを製造するのに2メートルの用尺が必要だとして、股下30センチくらいのショートパンツだと用尺は1メートルくらいである。

1メートル700円の生地を使ったと仮定すると、長ズボンの生地代は1400円であり、ショートパンツの生地代は700円である。

極端な言い方をするならショートパンツは700円しか安くできないということになる。
1メートル1000円の生地なら1000円安くなるだけである。

そんな風に思いなおして店頭のショートパンツを見ると、ちょっとだけ「高ッ」という思いが緩和されてくる。

ファッションアイテムとして定着した感のあるショートパンツだが、高額な価格設定では売り辛いという声もしばしば耳にする。

逆にショートパンツがなぜそこそこに高額に設定せざるを得ないのかを、業界がこぞって説明してみるのも販売価格維持のためには必要な措置のではないだろうか。