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南充浩 オフィシャルブログ

アパレル業界の実店舗偏重は非論理的

2015年6月26日 未分類 0

 実店舗での買い物というのは実物を触れるというメリットがあるが、そこまでわざわざ時間をかけて出かけなくてはならないというデメリットもある。また自転車か徒歩で行く以外は何某かの費用が発生する。
交通費なりガソリン代なりである。

実物を触れないというデメリットがある反面、インターネット通販は移動の時間と交通費が不要である。
送料が必要なところと不要なところがあるが、送料不要なら買い物客側とすればありがたい。

洋服を買う場合、筆者はあまりインターネット通販を使わない。
生地が触れないのと試着できないからである。
ただし、一度試着した商品をときどきインターネット通販で買う場合がある。
時間がなくて実店舗へわざわざ出向けないためだ。

実店舗で買う割合の方が高いとはいえ、そんな感じで使い分けている。

Aというブランドからすると、筆者がネットで買おうが実店舗で買おうが同じである。
どちらで買ってもAというブランドの売上高になるからだ。
理屈で考えるとそうなる。
しかし、理屈と感情は異なる。
繊維・アパレル業界は理屈よりも感情や情緒が優先されることが多い。
だから業界の体質はまったく嫌いである。

そんな業界だから情緒的に実店舗を優先してしまう。
ネットで売れようが、実店舗で売れようが社としての売上高は同じだろうに、なぜか実店舗を優先したがる企業が多い。

例えば、筆者が値下がりしたユニクロのTシャツ990円を実店舗で買おうがネット通販で買おうが、ユニクロには990円のお金が入る。
それだけのことである。筆者が経営者ならどちらで売れたってかまわない。
にもかかわらず、アパレル企業の中には実店舗を「主」、ネット通販を「従」として考えているところが少なくない。
ネット通販での売上高が増えることに対して批判的な企業すらある。
これはまったく理解できない。まさしく単なる情緒論であり、考慮する必要すらない。

先日、WWDにこんなコラムが掲載された。
ワールドやTSIホールディングスの大量閉店についてである。
内容的には全てとは言わないがそれなりに正しい。

大手アパレル相次ぐリストラ、大量出店戦略は曲がり角に?
http://www.wwdjapan.com/focus/column/business/2015-06-21/6219

この文末で、ワールドがネット通販強化を打ち出したことに触れている。

ワールドは店舗を減らす一方でEC事業に注力する。「“WWW.300(ワールドワイドウェッブ300)”を合言葉に、現状の2倍の300億円の売上高目標を立てる。全ブランドを集約した現在のオンラインストアの回遊性を高めるだけでなく、各ブランドの公式サイトを入口にしたEC事業を強化する。EC主導のブランド立ち上げも視野に入れている」と上山社長。

とある。
これはすでに発表された内容だし、そういう施策は間違いではない。
ところが最後はこう結ばれている。

ただEC化率を上げれば、コストが抑制され、収益力アップにつながるが、リアル店舗のショールミング化が進み、店頭の活気やスタッフのモチベーションが下がるというデメリットもある。真のオムニチャネル化により、店頭とECの双方向性を高めることが求められる。

とのことだが、ショールーミング化が進むのがなぜデメリットなのだろうか?
この理屈が理解できない。

ワールドからすればリアル店舗で売れようが、ネット通販で売れようが同じ自社の売り上げである。
店頭の活気というのはなんだろうか?ネット通販がなければリアル店舗の店頭が活気づくのだろうか?
そんなことはあるまい。そのブランドが不振ならネット通販があろうがなかろうが店頭には活気がない。
スタッフのモチベーションが下がるのは社内の教育が間違っているかそのスタッフが正しく考える能力がないかのどちらかである。
もしくはその両方だろう。

正しく考える能力が欠如したスタッフに対して間違った教育を施したという場合もある。

ちょっと持ち上げすぎのきらいもあるが、ヨドバシカメラのネット通販が好調なのだそうだ。
年間売上高は650億円に上り、現在成長中だという。

ヨドバシの通販がアマゾンを超える?「来店客にネットで買わせる」巧みな戦術で急成長
http://biz-journal.jp/2015/05/post_9959.html

「ヨドバシ」の方向性はそれとも違う。リアルからバーチャルに誘導する、つまり「実店舗に来たお客さんに、ネットで買ってもらう」という戦略だ。売り場で見た商品をネットで買われたとしても、ヨドバシカメラ全体として売り上げが上がるのであれば、それでかまわないということである。

とのことである。

これはまことに理論的な考え方である。
どちらで売れようがヨドバシカメラの売上高である。

なぜアパレル企業はこう考えられないのだろうか。
また繊維業界紙記者はこう考えられないのだろうか。

理論的な思考ができる企業はやはり売り上げ規模を拡大しやすい。
アパレル業界が衰退しているのは理論的な思考ができない企業や人が多すぎるためだろう。

今の情緒論丸出しのアパレル業界は、家電量販店にも遠く及ばない。
衰退すべくして衰退したとしか言いようがない。

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