昨日、あべのキューズモールに立ち寄ったら、地下1階の催事用広場で洋服の破格値セールが開催されていた。
掘り出し物があればと思って覗いてみると、ワールドのメンズ・レディース合わせた各ブランドが60~70%オフになって投げ売られていた。
今年の物か昨年の物かはわからないが、春夏物である。

昨今、トレンドは1年くらいではほとんど変わらないからたとえ昨年物だとしてもお買い得である。
ちなみに、原価率は業界通じて基本的にだいたい30%前後とされているので70%オフならほぼ原価であると考えて大きな間違いはない。

その近隣にはクロスカンパニーの常設店があるが、早くも10%オフである。

セールの後倒しだとか、安易なセールをやめようだとか、いろいろと綺麗事をぶちあげてみても、結局のところセールは早期化するばかりだし、常設店でやらなければその分催事でやるので同じである。
各百貨店の9階とか10階とかの催事場で年がら年中どこかのブランドの投げ売り催事をやっていることを見れば言わずもがなであろう。

基本的に洋服は市場に供給過多であるから、在庫が残り易い。
残った在庫なんて塩漬けにしていても意味がないから、アパレルやショップは1円にしてでも叩き売って現金化したい。
その際、まずは店頭で投げ売る。
次はアウトレットでの販売である。
その次に催事である。

そのあとはネットの処分屋に引き取ってもらうか、昨日に紹介したようなバッタ屋に引き取ってもらって実店舗で投げ売られるか、である。

大阪にはクリスタ長堀という地下街があるが、そこの広場でも毎日のように催事販売が行われている。
パルグループの商品が投げ売られていたこともあった。

はっきり言えば、「ブランド名」にさえこだわらなかったら、ユニクロや低価格SPAで買わずとも、同じような値段でもう少しステイタス性のある国内アパレルブランドの商品が常に手に入るのが現在の状況である。

これに対して情緒論を盾に「安売りはイカン」とか「誰かが泣いている」とか言ったところで無意味である。
在庫を投げ売らなければそのアパレルの人間が泣きを見るからだ。
下手をすればそのアパレルは倒産する。
アパレルが倒産することで泣きを見るのは社員とその家族だけではない。そのアパレルの取引先も製造業者も泣きを見る。

結局のところ、正規常設店のセールを施設側がいくら制限したところで、期末・期中には特別催事販売がされたり、インターネットで値引き販売されたりするので、あまり意味がないと感じる。
制限しながらも期中に「全館10%オフ」なんていう安売りをするルミネのような商業施設もある。
筆者にはひどく言行不一致に映るのだが。

個人的にはセールの開始時期・割引率の制限なんて意味がないと考えている。
安く売る手段はいくらでもあるからだ。
フランスやイタリアは法律で制限しているが、その分、オンライン通販でのセール早期化や投げ売りが進んでいるとも耳にする。

すべての工業製品が普及することで低価格化することは避けられず、洋服も同じである。
洋服は年間で41億点も市場に供給されている。
となると、如何に値引きをせずに販売するかを工夫すべきだろう。
売り方、見せ方、伝え方がさらに重要になっている。

それが上手くできるブランドが増えることが洋服の値崩れをある程度阻止できるのではないかと思うが、それはひどく長期的な取り組みになる。
短兵急に洋服の値崩れを一気に止める手段はない。