2013年度は過去最高の41億点の洋服が市場に供給されたという。

服の供給量は過去最高の41億点、低価格衣料がシェア拡大
http://www.fashionsnap.com/the-posts/2014-12-16/supply/

これは以前にも書いたことがある。

これだけの大量の洋服が供給されていれば、必ず売れ残りはある。
完売することは不可能だろう。

これを処分するために、アウトレットという業態がかつて開発されたが、現在のアウトレットは売れ残り品だけではなく、アウトレット販売用の新規製造品が多数陳列されている。
厳密にいうなら、「アウトレット風」ショップになっている。
当然ながらアウトレット風ショップでも売れ残り品は発生するだろう。

ある有名セレクトショップの本部スタッフに聞いたところ、
売れ残り品は百貨店やファッションビル内の催事で販売するそうである。
その時は1000円均一とか2000円均一とか普段の値段では考えられないほどの破格値で販売する。
しかし、それでも売れ残り品は発生する。

そのセレクトショップだとそういうどうしても売り切れない商品の在庫総額が年間数千万円分くらいになるという。

さて、各社はこれをどう処分するのだろうか?

大手の某ブランドは特別損失として計上して、焼却・廃棄すると耳にしたことがある。

http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-12006430477.html

元ニットキッチン社長のブログのこのエントリーで在庫処分の方法について言及しておられる。

その中で「バッタ屋」という販路が紹介されている。
在庫品を格安で引き取って、自身の販売ルート(直接販売も含む)を使って格安で販売するという業種である。
筆者にもそういう処分屋を営んでいる知り合いが何人か存在する。

筆者が販売を手伝っている天神橋筋商店街の店もバッタ屋・処分屋と呼ばれる業種である。
ここは大手通販の在庫を引き取ってきて格安販売している。

そんなわけで天神橋筋商店街に行くことが増えたのだが、この商店街にはそういうバッタ屋・処分屋が数多くある。知っているだけでざっと5~6軒はある。
商店街の端から端まで探せば何十軒とあるだろう。

その店の中の一つで、先日、某外資系グローバルSPAブランドの商品が売られていた。
価格はなんと290円である。
このグローバルブランドは自店頭でも大幅値引きをして最終処分をしているが、販売価格はせいぜいが990円どまりである。
それ以下に値下げされた商品はその店頭では見たことがない。

なぜ、そのブランドの商品だと分かったかというと、襟裏の織りネームがそのままになっていたからだ。
下げ札は切られていた。

興味があったので、どういう経緯で入荷したのかを尋ねてみた。

すると分かった事実は、

1、この商品は何年か前の商品であること。
2、この商品を引き取ったバッタ屋は襟裏の織りネームをそのままにしていたことを追及されて、契約を切られたこと。(当たり前である)

3、その業者からさらに安値で引き取ってきた物であること。

以上である。

言ってみれば、不良在庫を転売されたものである。

国内の多くのアパレルブランドがこういうバッタ屋に在庫を安く引き取ってもらうということを経験上知っている。
一方、グローバルSPAブランドは自店での処分、せいぜいがアウトレットショップでの処分が限界だろうと思っていたのだが、そこは国内アパレル同様にバッタ屋で処分をする場合もあるようだ。

このグローバルブランドをそういう処分店で見かけたのは珍しかったので思わず尋ねてしまった。

バッタ屋・処分屋というとなんだかイメージが悪いが、業界にとっては必要不可欠な存在でもある。
ましてや年間41億点もの商品が供給されている状況であればなおさらだ。

最近、アパレル業界で今後伸びる業種というのはバッタ屋ではないかという気もしてきている。(笑)