しまむらの減益が濃厚となってきた。
もし減益になるとすると、2期連続の減益ということになるため、各紙で報道されている。

ちょうど、先日もそれらの報道についてどう考えるか?とフェイスブック友達がトピックスを挙げておられたばかりである。

外野から眺めていると、売上高5000億円強、減益とはいえ営業利益400億円強のしまむらは依然としてアパレル業界では超優良企業であるし、今後も優位性はそう簡単には揺らがないだろう。
しかし、停滞局面に突入したことも間違いないと見ている。

今回はそれを踏まえて、考えてみたい。

先ごろ東洋経済オンラインに掲載された分析が的確であると考えている。

ユニクロとしまむら、なぜ明暗が分かれたか

国内アパレルの「優等生」が陥った停滞局面
http://toyokeizai.net/articles/-/63229

まあ、タイトルからするとかなり暗めな印象を受けるが、メディア側はキャッチなタイトルを付けるのが通常である。たぶん、この記事の筆者が付けたものではないのだろうと想像している。

どうしても業界最大手ユニクロと比較されてしまう。
ちなみにユニクロが業界1位、しまむらが業界2位である。

個人的な話で恐縮だが、しまむらで物を買ったことがない。
実は店舗に行く頻度もかなり低い。
理由は簡単で、ロードサイドに路面店出店するしまむら、アベイルへ行くのは、ペーパードライバーである筆者には難行苦行なのである。
最近ではボツボツと都心店もでき始めているが、大阪に限って言えば、天王寺・難波・心斎橋・梅田のターミナルにはしまむらは影も形もない。
東京都内でもターミナルの駅周辺には出店していない。

反対にユニクロはロードサイド路面店もあるが、都心ターミナル店も多い。

立地だけで見ると、しまむらは都心ターミナル顧客をまったくと言って良いほど取り込めていない。
まあ、しまむら側からすると取り込む必要がないと考えているのかもしれないが。

またロードサイドでもイオンモールに代表される大型ショッピングセンターにユニクロは入店しているが、しまむらは入店していない。
そういう意味では地方ロードサイド顧客の取りこぼしも増えたのではないか。

大型ショッピングセンターの功罪について今回は論じる気がない。
すべての商材がそろうので大型ショッピングセンターを利用するという地方在住者は数多くいる。
ユニクロはその中にあって、ついで買いの対象となるが、しまむらはなりにくい。
ショッピングセンターへの行き道・帰り道にあれば別だが、それ以外なら「わざわざ」立ち寄らねばならない。
「わざわざ」立ち寄るというのは心理的ハードルがなかなかに高い。

これを利用して「わざわざ」立地に出店する個性派小規模店も多いが、しまむらはそういう個性派店舗ではない。
利便性の高い低価格衣料品の販売店である。

近年は「しまらー」を使ってファッション化を進めていたが、「わざわざ」立ち寄るほどの個性派店舗では到底ない。また、「しまらー」も数年くらい前からめっきり影を潜めている。

一方、ユニクロはなんやかんやと言われながらもファッション性を高めている。
相変わらずチラシのデザインだけはあか抜けないが、売れているならそれが正しいのである。
売れないデザインは何の意味もない。

店舗のディスプレイもユニクロはそれなりに洗練されてきているが、しまむらは依然として雑多なままである。
天神橋筋商店街の在庫投げ売り店と近い印象を受ける。

このあたりでブランドイメージの明暗が分かれているのではないか。

また商品面でいうと、同じ商品を大量生産するユニクロと、仕入れ品をメインに多品種少量を販売するしまむらでは、ファッション顧客の目線で見るとしまむらの方が使い勝手が良い。
何しろ「被る」ということがほとんどないからだ。
ちなみにしまむらも一部自主企画商品はある。実際にそれらを企画製造しているが、すべてではない。

一方のユニクロは同じ商品を大量生産しているため、被りまくりである。
毎年、冬になったら毎日どれほど多くのウルトラライトダウン着用者を見かけることか。
最早、色違いの国民服みたいになっている。

しかし、その多品種少量販売がしまむらの「商品の顔」を見えにくくしている側面があるのではないか。
ユニクロは即座に「顔」となる商品が思い浮かぶ。ウルトラライトダウンしかり、フリースしかり、ジーンズしかり、である。その顔は少々大きすぎるのではないかと思うほどだ。

しまむらは「顔」が希薄であるという印象を受ける。希薄なので「あれが欲しいからしまむらへ行こう」という動機になりにくいのではないか。

逆にH&MやZARAのようなトレンド対応形態になればそれが売りになるが、そこまでの洗練度がない。
そういう意味では立ち位置が中途半端だと感じる。

しまむらの土台はちょっとやそっとのことでは揺らがないだろうが、今後どうするのか興味は尽きない。
もっとも現状維持というのも立派な方策である。
このままのやり方を貫いて5000億円台を維持する、それ以上の成長は求めないというのも選択肢の一つである。

ただ、5000億円台からさらに上を目指すというのなら、今のままのやり方では難しいのではないか。

それは外野がとやかく言うことではなく、しまむらの経営陣が決めることである。