今春からユニクロからストレッチセルビッジジーンズが発売された。
タイトストレートやテイパードスリムなどの細身シルエットが主流となっている状況ではストレッチ素材は必要不可欠である。
綿100%デニム生地で作られた細身ジーンズを我慢して穿き続けられるのはよほどのマニア層に限られている。
そんなマニア層を標準とした商品をマスブランドが開発する必要もない。

ジーンズ専業ブランドでは以前からストレッチのセルビッジデニム生地は使用されていたが、あまりアピールされてこなかった。
そのため一般消費者にはほとんど知られていない。

今春に向けて大々的にそれをわざわざPRしたユニクロの広報戦略はやはり優れていると認めざるを得ない。

で、売り場に行って現物を見てみたが、予想よりも生地が薄い。
ユニクロのサイトでメンズ商品の解説を見ると、「滑らかな肌触りにしました」というようなことが書いてある。
滑らかな肌触りにするということは表面の凹凸感を抑える、使用した糸の番手を細くする、などというような手法で製造された生地だといえる。

細番手の糸で織ったり、表面の凹凸感を抑えたりするのならなぜわざわざセルビッジデニム生地に仕上げるのか意味がよくわからない。

セルビッジデニム生地というのは希少性もさることながら、良い色落ちをするのではないかという方に力点が置かれている。
だいたい希少性のある素材でユニクロの莫大な生産数量を賄えるはずがない。
希少性に焦点を当てた時点で、矛盾が生じる。

個人的にはこのストレッチセルビッジデニムの評価はあまり高くない。

個人的には、エドウインが昨年秋から発売した「キープブルー」で使用しているストレッチセルビッジデニムに軍配を上げたい。

昨年晩夏に、エドウインから「キープブルー」のサンプル品をいただいた。
色落ちしにくいという新商品群で、スリムストレートとテイパードがあったが、テイパードの方である。
ワンウォッシュで色落ちしにくく、しかもストレッチ混の厚みのあるセルビッジデニム生地だ。
着用してしばらくの間は「ちょっと硬いな」という感じだったが、3か月後くらいからはかなり体に馴染んできた。

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(赤耳の部分)

現在、着用後ほぼ半年くらいが経過しているが、触れ込み通りにほとんど色落ちしていない。
とくに座るときに摩擦が起きて色落ちしやすい後ろポケットにもほとんどアタリが出ていない。

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ジーンズの醍醐味の一つに色落ちがあるが、他方でワンウォッシュの濃紺を長く保ちたいという要望も少なからずある。
濃紺のジーンズの愛用者も多い。
個人的には濃紺ジーンズの方が好きであるから、こういう商品はありがたい。

生地製造、縫製、洗い加工(水洗いくらいしかされていないけど)ともに国産である。
純国産品でありながら税別で9500円に価格を抑えている。

ユニクロジーンズの2・5倍の価格だが、他のブランドが1万2000~3000円台であることを考えると、コストパフォーマンスに優れている。
アパレル業界人でもジーンズにあまり詳しくない人は、ユニクロの次の価格帯は1万2000~3000円だと思っている人も少なくない。
3990円の次が1万2000円ではちょっと抵抗感があると感じている人がいる。(事実ではないのだが)

9500円ならそういう抵抗感もずいぶんと軽減されるのではないか。

PRはユニクロに比べて劣るが、こういう商品を企画・製造できるところがエドウインの強みだと感じる。

さて、それが世間にもっと上手く伝わると良いのだが。