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南充浩 オフィシャルブログ

綿の使用量を減らしたジーユーの春物

2011年3月1日 売り場探訪 1

 昨年秋から綿花相場が高騰しており、2月にはついに1ポンドあたり2ドルを越えたという。

先日、ジーユーと西友で春物をリサーチしてみた。
ジーユーは価格はほぼ昨年と変わっておらず、半袖Tシャツ590円、パーカー1470円という感じである。
しかし、だいたいどのトップスアイテムも綿が60~70%で、ポリエステルが20~30%配合されている。半袖Tシャツも綿が65%・ポリエステル35%だった。薄手のパーカーは綿が入っておらずポリエステル・レーヨン混、春物のセーターは綿ではなくアクリル100%だった。
綿100%だったのは1990円のカーディガンだけである。
チノパンなどのボトムス類は綿100%だったが、春夏ということもあり、かなり肉薄の素材だった。個人的には綿花使用量を削減した側面もあるのではないかと考えている。

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綿花の価格が高い場合は、綿の配合率を減らして価格が比較的安定しているポリエステルやアクリルやレーヨンを配合することで、生地コストを安く抑える。もちろん、現在の綿花高騰を春物に直接反映していないが、ジーユーの製品が企画製造される段階で徐々に綿花が高くなり、コストを削減したと考えられる。

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一方、西友は長袖Tシャツが490円で、綿100%であった。縫製やデザインなどの要素も加味しなくてはいけないので、一概には言えないが、こと綿の使用量という意味ではジーユーよりも西友の方がコストパフォーマンスがあると言えるのではないだろうか。

カットソー、ニットのOEM企業に勤務する知人がいる。先日、現在の綿花相場(2ドル前後)について尋ねたところ「いやあ、正直、店頭価格1900円で綿100%のカットソーを製造するのはかなり厳しい。アクリルとかポリエステルとかレーヨンを混ぜないと」という答えが返ってきた。

このまま綿花価格が高止まりすると、ジーユーだけではなくもう少し高いプライスのブランドまでが、ポリエステル30%配合のカットソーを店頭に並べる可能性が強まっている。

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 comment
  • プロムナード より: 2011/03/02(水) 8:57 AM

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    綿の使用量を減らしたジーユーの春物
    気になったので綿の高騰が商品価格に反映されているかを複数の会社に聞いてみたところ「・・・いや?」という返事が返ってくるばかりだった。
    むしろ原油価格の高騰の方が、例えばタオルのように素材が即そのままの形でなる商品の方…

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