南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

やっぱり、インターネット通販では服と靴は買いにくいと思う

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 Amazonをはじめとするインターネット通販市場の拡大によって、配送サービスがパンク状態であることは、各社から報道されている。
それもそのはずで、10年前まで5兆円だった通販市場規模は、現在16兆円くらいにまで膨れ上がっている。ということはそれだけ多くの荷物が配送されているということになる。

Amazonは年会費3900円を払ってプレミア会員になると、送料無料で当日配送してくれるが、これがさらに配送サービスを圧迫している。
このあおりを受けたのか、ZOZOTOWNは当日配送から撤退している。

まあ、今すぐにどうしても欲しいというような品物はそこまでないと思うが、そんなに当日配送って必要なんだろうかと思ってしまう。

2~3週間も経過すればすっかり注文したことを忘れてしまいそうだが、4~5日くらいかかっても構わないと思うのだがどうだろうか。

当方はインターネット通販に本格デビューをしてまだ3年ほどである。
5年ほど前に子供へのプレゼント用で、国内の書店では手に入りにくい本をAmazonで注文したことがあったきりである。
それ以外はインターネット通販を利用することに抵抗があった。

当方の買い物は服や靴が多いから、実際に試着できない通販にはけっこう抵抗があり、これは今でも変わらない。
今でも通販で服や靴はあまり買わない。
サイズ感・素材感がわからないからだ。

ユニクロのネット通販はたまに利用する。
なぜなら、店頭で試着してサイズ感・素材感が分かっているからである。

とはいえ、先日、Yahoo!でスニーカーを買った。(Amazonよりも安かった)
試着したことがなくサイズ感がわからないので、かなり迷った。

アディダスのクライマクールクロベという水陸両用のスニーカーである。

何故買ったのかというと、今年は結局、関西は比較的雨の少ない梅雨だったが、いつも雨の日に履く靴を迷う。
防水靴以外の通常の靴は、雨がしみ込んで靴下が濡れてしまう。
すぐに帰宅できればそれでもかまわないが、濡れたままで一日過ごさねばならないことになるとなかなか不快感はマックスである。

そこで、3年前にこれもインターネット通販で防水スニーカー、コンバースエヴォブーツを買った。
聞いたことのない新潟の靴屋のサイトで、1足4600円と破格に安かったので、白と黒の2足を買った。

3年が経過すると、ちょっと劣化気味で、ときどき雨がうっすらとしみ込むことがある。
また、防水靴は気密性が高いため、夏場はかなり足先が暖かいことになる。
頭寒足熱とはいうが、夏場に足熱することは暑さが倍増するので、できれば履きたくない。

そこで、梅雨に備えて買おうと思った。
このクライマクールクロベは逆に濡れることが前提になっている。
これを素足に履けば、濡れても構わないのではないかと考えた。

秋冬にこれを履くとおそらく寒すぎて足先がしもやけになるが、夏場はこちらの方が快適ではないかと考えた。

そこで、6月の初めにインターネットで最安値を探した。
同じ物を買うならできるだけ安く買うのが当然である。

結果、消費税込み・送料込み・貯まったポイント(100ポイントくらい)使用で3990円というところを見つけて購入した。

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迷ったのはサイズ感である。
サイズ表を見ると、27センチの次は28センチになっている。

通常、筆者はアディダスやナイキ、プーマのスニーカーはほとんどの場合、27・5センチを買っている。

しかし、27・5センチがない。

27センチと28センチのどちらを買うべきだろうか。
そこで今度は商品の消費者レビューを読み始めた。

サイズ感は小さめと書かれているレビューが多く、それなら「28センチだ」と思いきや、何割かの割合で「ちょうど良い大きさ」とか「ちょっと大きめでした」というレビューもある。

足の形は人それぞれ個人差が大きいがここまで意見が割れると、決めかねてしまう。

悩みに悩んで、結局27センチを買った。

もし小さかったら交換してもらうのがめんどくせえなあと思いながら。

送られてきて試着してみると、27センチは素足に本当にピッタリで、靴下を着用すると履けないくらいのフィット感だった。

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(クライマクールクロベの着用感)


言ってみれば、ゴム底が付いた靴下を履いているようなフィット感と言えば通じるだろうか?

アッパーは合繊のニット地なので、おそらく着用を繰り返すうちに幾分かは伸びると考えられるので、気長に使っていこうと思う。

7月になってから、昨年からトレンドになっているロングシャツを買おうとネットで検索した。
Amazonで安値の商品をいくつか見つけたが、結局は買わなかった。
素材感や生地の厚さが皆目わからなかったからだ。
そのほとんどが生地の組成を書いていなかったり、生地の厚さに言及していなかったりした。

なるほど、着用写真だけはかっこいいが、そんなもんだけでは買う決め手にはならない。
そんな小手先の手練で売れると思ったら大間違いである。
この手のアホな業者には腹立たしささえ感じる。

結局、Amazonをはじめとするインターネット通販で買うのは、着用感を必要としないガンダムのプラモデル、本、それから雑貨、日用品消耗品ばかりで、まれに服や靴があるという感じで、靴は今回が2度目しかない。

逆にガンダムのプラモデルなら、安値になっていればインターネット通販で買う。
6月には2600円に値下がりしたマスターグレード「ジムスナイパーカスタムⅡ」を買った。

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(ジムスナイパーカスタムⅡの勇姿)



昨今は、返品無料だとか交換しやすいサービスだとか、そういうのがインターネット通販各社から新たに提案されている。

これで「消費者利便性がさらに高まる」と賞賛する声は多いが、こんなことを過剰にやっていれば、配送サービスはさらに危機的状況になる。
みんながコンビニなどの店舗受け取りを活用すると幾分緩和できそうだが、利用者が増えすぎると、今度はコンビニや店舗がストックルームを圧迫されることになりかねない。

インターネット通販こそ不況解消の切り札かのように、吹聴するダメコンサルやアホな業者も多いが、インターネット通販が増えれば増えるほど配送や店舗受け取りシステムは危機感を増す。

個人的には、配送にも店舗にもなるべく迷惑が掛からないように

1、当日配送や翌日配送は求めない
2、返品・交換を前提として気軽に注文しない


という今の自分の活用スタイルを維持することだけが、緩和策ではないかと思っている。

それにしても、ネットをやっていない年寄りに限ってどうしてインターネット通販を過剰に礼賛するのだろうか?

隣の芝生は青く見えるとはいうが、そんな感覚で世論形成がなされれば、ますますミスリードされる情弱が増えるだけではないかと思う。




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洋服の供給量は減らない

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 洋服の値崩れを防ぐことについて、その防衛策として「供給量を減らす」ことが業界から提案されるが、実現は難しいのではないかと思う。

まず、これを提案している人々が、どちらかというと小資本だったり、負け組に属していたり、する場合が多い。

小資本や負け組の論理では、大資本の論理を止められないから、グローバルブランドや国内の勝ち組大手企業の供給量が今後、激減することは考えにくい。
良くて微減、少なくとも現状維持だろう。

じゃあ、そういう小資本組や負け組が示し合わせて、供給量を削減したらどうか?ということになるが、これは恐らく独占禁止法に引っかかるのではないかと思われる。
当方は法律にはあまり詳しくないから、詳しい人がおられたらご教授いただきたい。
多分、カルテルだとかトラストに当たるのではないかと思う。

だからこれも現実的ではない。

また、業界内の事情に目を向けると、近年、アパレル企業の倒産、衣料小売り店の倒産・廃業が相次いでいる。企業数が減るということは供給量も減ると一般的に考えられがちだが、業界内の特性として、倒産企業からは何社も独立ブランドが生まれる。

例えば、業界にはVAN倒産後に独立したブランド、企業がいくつあるのか?

それと同じように、アパレルや小売店が倒産・廃業すると、そのメンバーがそれぞれ独立してまたアパレル企業や小売店を始める。
最近だとOEM/ODM事務所を始める人も多い。
それぞれ個々の企業規模は小さいが、業界内のブランド総数は逆に増えるくらいだ。

1社が倒産すれば、そこから5~10社くらいは零細アパレルや零細ブランドが生まれる。

となると、業界全体の供給量はあまり減らない。逆に増えるくらいではないかと思われる。

それに、実際のところ、国内の流通総数は一時期(たぶん2014年ごろ)41億点だったのが、最近では39億点に減少している。
2億点くらいは3年間で減少しており、そういう意味では不振各社の生産調整・在庫調整が進んだのではないかと思う。

以前、日経MJの紙面でイシキタカイ系wの某ファッション専門学校生が、「一枚から服を作ればよいのに」と語ったことがあるが、既存の製造システムでは不可能である。
これに類した「イシキタカイ系のクリエイターw」も業界には多く、彼らの共通特徴として国内の製造加工業の保護・重視を訴えるが、「一枚から作る」と「国内の製造加工業の保護・重視」は矛盾する事柄で両立は不可能である。

中国や東南アジアの最新設備の工場と比べると、国内各工場の生産能力は少ないが、それでも国内各工場とて大量生産システムで運用されている。

織布ならたくさんのメートル数を織れば織るほど、1メートルあたりの生地値は安くなる。
染色も同じ。たくさんの数量を一気に染めれば染めるほど個々の染色加工賃は安くなる。
縫製も同じ。たくさんの枚数を縫えば縫うほど1枚当たりの縫製工賃は安くなる。

近年は国内工場への注文が減っているのでミニマムロットは下がっているとはいえ、1枚から縫います、1メートルから織ります、なんていう工場はサンプル工場以外存在しない。

となると、イシキタカイ系wがいうように「1枚で作る」システム確立を標榜しつつ、「国内の製造加工業を保護しろ・活性化しろ」というのは二律背反で、両立できないことがわかる。

国内の製造加工業を保護・活性化したいのなら、ある程度の数量を継続的に作らせ続けなくてはならない。

たまたま2017年7月だけ100枚の製造を注文してめでたしめでたしとはならない。

何年間も毎月100枚ずつの製造を注文しなくては工場を救ったことにはならない。
2017年7月だけの注文は単なる「スポット」でしかない。
スポットで「国内の製造加工業に貢献した」と思うのは単なる自己満足にすぎない。


洋服の値崩れを食い止めたいなら、個々の企業・ブランドが厳密に希望的観測を排除して「売り切れる」製造枚数をはじき出し、定価か少しの値下げだけで「売り切れる」販売施策をとるほかない。


各社・各ブランドは、製造枚数の設定が甘くないかを再度確認すべきだし、販売方法が本当にそれでよいのかどうかを再度確認すべきだろう。
それができなければ、洋服の供給量は減らないし、値崩れは永遠に止まらない。


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ユニクロ対ZARA
齊藤 孝浩
日本経済新聞出版社
2014-11-20






衣料品の国産比率は金額ベースで26%

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 衣料品の国産比率は3%というのは、よく言われることだが、最近これが独り歩きしすぎていると感じる。
この数字が事実であることは間違いないが、この数字は「数量ベース」なのである。

国内で流通している総量に対して3%ということである。

しかし、店頭を見てみると、「日本製」と書かれた衣料品は結構ある。
低価格カジュアル店は別として、3000円台の日本製衣料品も珍しくない。
みなさんの体感的には恐らく3%よりも多いと感じているのではないだろうか。

別の数字を示すと、「国産比率は約26%」ともいえる。
これは「金額ベース」である。
販売された金額をベースとすると国産比率は26%前後ということになる。

なぜなら、日本製衣料品は比較的高額だからである。
日本製で「Tシャツ590円」なんていう商品は、バッタ屋以外の正規店では存在していない。

となると、自動的に金額ベースでの日本製衣料品比率は高くなる。

経産省が2015年に作成した資料にもそれは明記されている。

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/apparel_supply/pdf/001_03_00.pdf#search=%27%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E8%A1%A3%E6%96%99%E5%93%81%E6%A7%8B%E6%88%90%E6%AF%94%E9%87%91%E9%A1%8D%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9%27

ついでにスクリーンショットも貼っておく。

経産省キャプチャ


輸入品浸透比率が2012年の段階で、金額ベースでは73%になっている。
ということは国産比率は2012年の時点では27%あったということになる。

そこから5年が経過して、国内の縫製加工業者はさらに減っているだろうから、順当に考えると25~26%というのが現在の状況だろう。

金額ベースに比べて、数量ベースが急落した理由は何だろうか?

様々な要因が考えられるが、最大の要因は、衣料品の供給数量が増えたことだろう。
そしてその増えた分量はほぼ中国をはじめとするアジア製だった。

例えば、ユニクロの台頭。

衣料品の供給枚数は20億枚から39億枚に倍増している。
正確には一時期41億枚まで拡大したが、やや減少して39億枚になった。
このあたりの2億枚の減少は、市場の悪さを鑑みて各社が少しずつ生産調整・在庫調整を行った結果だといえるのではないだろうか。

この増えた20億枚のほとんどが中国をはじめとするアジア製だったといえる。

これによって、数量ベースでの国産比率は急落した。
もちろん、国内の製造加工業者が減少し続けているのは言うまでもないが、もし、供給数量がここまで激増しなければ、数量ベースの落ち込みはもう少し緩やかだったのではないかと思う。

要するに、分母が激増した結果、数量ベースの国産比率が急落したのである。

ちょうど、食料自給率の議論と似ている。
我が国の自給率が低いといわれ続けているが、それは「カロリーベース」での議論であって、カロリーベースなる不思議な指標を採用しているのは我が国と韓国くらいだ。

オウベイガーのみなさんが大好きな欧米諸国は「生産額ベース」で食料自給率を論じている。

だから、「欧米に比べて我が国の食料自給率が低すぎる」というのは、基準が異なるので議論としてはおかしい。
生産額ベースでの我が国の食料自給率はだいたい65%前後もある。

本来は、欧米と比較するならこの生産額ベースで論じるべきで、もしカロリーベースで論じたいなら欧米の自給率もカロリーベースで換算し直さないと意味が無い。

なんだか、カロリーベースで大騒ぎしている自給率と、数量ベースで大騒ぎしている国内衣料品比率はちょっと似た構図ではないだろうか。

金額ベースでの26%というのもかなり厳しい状態であることは間違いないが。

とはいえ、国内の衣料品製造業者は減少の一途をたどっており、今後ますます減少することは間違いない。
一部の強い国内業者を残して、最終的には経営が悪化していたり、後継者がいない業者は消滅してしまうだろう。

最近では、ファクトリエやトウキョウベースといった国産品を扱う新興企業が登場しており、それらが発展することで国産業者の減少が食い止められるのではないかという期待が寄せられているように見えるが、それは糠喜びというものではないかと思っている。

なぜなら、ファクトリエやトウキョウベースという企業が扱っている国産業者は、いわば「強者」に分類されるものがほとんどで、弱小零細業者は扱っていない。
極端な言い方をすれば、強者はファクトリエやトウキョウベースが無くても存続し続けるだろうし、弱小零細は取り扱われないのだから、いくらファクトリエやトウキョウベースが巨大化しようと、経営環境は好転しない。
だから弱小零細業者はこれからもどんどんと姿を消し続けていくだろう。

弱小零細業者がもしも、生き残りたいと思うなら、自助努力しかない。

新進著名企業は助けてはくれないし、アパレル業界にキュウレンジャーみたいな究極の救世主は永遠に登場しないからだ。
最近、キュウレンジャーには12人目の新メンバーとして「伝説の救世主」も登場したが、そんな伝説の救世主も業界には永遠に登場しない。


インスタグラム始めました~♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro/








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