南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

格安のオーガニックコットン製品はありえない

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 「オーガニックコットン」と銘打った商品にものすごく高い物と、かなりお安い物が存在する。それもあってオーガニックコットンというものにかなり不信感を抱いている。

農薬も化学肥料も使わずに栽培した綿をオーガニックコットンと呼ぶ。しかし、綿花栽培農家が、いきなり来年から「農薬も化学肥料も使用を止める」と決心して栽培してもそれは「オーガニックコットン」と呼べない。オーガニックコットンと呼ばれるまでには無農薬・無化学肥料栽培を3年継続しなくてはならないからだ。3年経過して初めて「オーガニックコットン」と呼ばれるようになる。

こうして見ると、オーガニックコットンに移行するまでかなりの時間と労力が必要であり、たとえTシャツとはいえ、2900円程度で販売できるはずがない。オーガニックコットンのTシャツが1万円の値段をつけていても不思議ではない。しかし、現状ではオーガニックコットンと銘打った商品で2900円程度の物が多数存在する。

例えば無印良品で販売されている。

なぜ無印良品がそんなに低価格で販売できるかといえば、100%オーガニックコットン使用ではなく、10%とか20%だけ配合しているからである。

通常、オーガニックコットンは肌触りが良く、アトピー性皮膚炎にも効果があると言われているが、10%だけ配合されたTシャツにその効果はない。商品タグに「オーガニックコットン」と書きたいがためのセールスプロモーションに過ぎない。そもそも10%や20%配合した程度で「オーガニックコットン」と書いても良いのか?という問題がある。
表記にもっと厳重なルールが必要ではないのかという議論も実際にある。

幸いにしてアトピー性皮膚炎を患っていない自分は、通常のコットンで十分なのでオーガニックコットンに対するニーズがない。さらに言えば、オーガニックコットン製品のカラーバリエーションの少なさも興味を抱けない理由の一つとなっている。
通常、ベージュ、薄緑、薄茶の3色のラインナップであるが、これは綿の色そのままである場合が多い。

赤や黒、オレンジ、パープルなどに染色すれば良いじゃないかと思うのだがそれではダメらしい。なぜなら通常の染料には化学物質が含まれており、それで染色するとオーガニックコットンの効果がなくなるためだ。ただ、天然の草木染めや100%天然成分の柿渋染めなどは、化学物質が含まれていないので、染色してもオーガニックコットンの効果がある。

しかしややこしいのが、黒や紺に染められた物でも「オーガニックコットン」と謳われているし、草木染め・柿渋染めと書かれていても化学物質を配合して使われている場合もある。いずれも極端に安い価格が付けられていたら要注意である。

上記のような要因が相まってますますオーガニックコットンへの胡散臭さが醸し出されているともいえる。
これはアパレルに限ったことではないのかもしれないのだが「言うた者勝ち」みたいな風潮はなんとかならないのだろうか?

綿花相場の史上最高値更新

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 先日、紡績部長から綿花の高騰ぶりを聞いたばかりだが、綿花の高値があっさりと更新された。繊維ニュースより引用させていただく。

 25日のニューヨーク(NY)綿花定期相場は、期近(12月)物が前日比で5セント高い124.71セント(1ポンド)をつけ、史上最高値を更新した。

とのことである。

紡績部長にお聞きした時点での価格が119セントであり、これが150年ぶりの高値だった。
部長によるとアメリカ南北戦争当時の相場価格が170セントを越えていたというから、追いつくにはまだまだ余裕がある。
しかし、150年前と現在では物価も貨幣価値も違っているので、単純比較はできないだろう。


残念ながらそのあたりの知識が欠けているために、ここで比較を提示できない。
ああ、無力感。

衣料品の製造コストは原料高も含めて上昇する一方である。
しかし、衣料品の店頭価格は下がるばかり。

縫製の現場では、現在、中国の縫製スペースが満杯である。
多くの中国工場が、10月現在に発注すると、納期が3月末~4月10日ごろになるという。
どうしても早く欲しい場合は、工賃を上乗せするとそのオーダーを優先してくれるそうだ。うわさが本当なら、縫製工賃の上昇は避けられないだろう。
かといって、単純にベトナムやカンボジア、バングラディシュあたりの工場に振り替えられるかというと、そうでもなく「現地調達の副資材(ボタン、ファスナー、リベットなど)の品質が中国製品よりも悪い」という。ちなみに中国製副資材も国内製副資材よりも品質が劣る。


製品の価格下落も、中国の縫製スペースも繊維・アパレル業界の安易な物作りの姿勢のツケである。
ある業界の大先輩は「クラッシュは終わった。これからは再生に向かおう」というが、まだまだクラッシュし足りないのではないだろうか。再生に向かうのは数年以上先になると感じている

ユニクロ心斎橋店のお買い得ダウンジャケット

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 昨日から全国的にグッと気温が下がった。
10月に入ってから東京は涼しいと聞いていたが、関西は朝晩こそ涼しかったものの、昼間は25度近くの日が続いており、秋冬物を着ようという気にはならなかった。
今回の急激な気温の低下で、秋物は残念ながら在庫になりそうだが、冬物・防寒物の動きは活発化するのではないだろうか。

昨日、予定がキャンセルになったので、
ふらりとユニクロ心斎橋店を覗いてみると、昨年のプレミアムダウンジャケットが3990円、4990円、5990円に値下がりして並んでいた。
3990円は肩に2本ラインが入ったもの、4990円はダイヤ型のキルティングダウン、5990円はネオレザーダウン。
いずれも昨年、色や素材感が「あれ」だと感じたものだった。

肩に2本ラインは、やけに本体とラインの色のコントラストがはっきりしすぎている。
ダイヤキルティングのは、ナイロンに光沢がありすぎるのでちょっとなあと感じる。
ネオレザーダウンは、ネオレザーの割には表面に光沢がありすぎで、コーティングを施したみたいに仕上がっている。

珍しく3品番ともサイズがそろっている。XSやXLサイズばかりではない。

しかし、値段的には非常にお買い得であり、ライトダウンではないので羽毛の量も多い。
今年のウルトラライトダウンが5990円なので、両方が並ぶと昨年物の方が値打ちがあるように思う。あまり色や素材感を気にしない方であれば昨年物の方がお買い得だと思う。

ダウンジャケットの製造にかかわっている方から伺ったのだが、
ユニクロのウルトラライトダウンは、ダウンパックを省いた構造になっており、日常生活での着用は問題ないのだが、経年変化には弱い。
モンベルのインナーダウンはダウンパック構造になっており、それなりにコストパフォーマンスもある。
しかし、パタゴニアは値段も高いがモンベルよりもさらに性能が良いとのこと。

品質から言えば

ユニクロ<モンベル<パタゴニア

だという。
値段通りに品質も差があるということになる。

機能性商品は価格の差が品質の差につながることが多いので非常にわかりやすい。
その点、カジュアルを含めたファッション用品は価格の差と品質の差が連動していない場合も多いのでわかりにくい。
デフレに陥った原因の一つに、そのわかりにくさもあると思う。






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