南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

ユニクロとユニチャームを比較対照する意図がわからん

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 ブロゴスで毎日数人のブログを拝見している。賛同できるものから、反発を覚える物までいろいろあるのだが、いずれも参考になる。
ただ、一つ、加藤紘という人のブログを除いては。

先日掲載されたのが
「ユニクロよりもはるかに明るいユニチャームの未来」というブログ。
http://news.livedoor.com/article/detail/5262098/

読んでも今一つ論旨がはっきりしない。何が言いたいのかよくわからない。要するに「同じ『ユニ』でもユニチャームの方が将来性あるよね」と言うことが言いたいらしいのだが、ユニクロとユニチャームを比較対照する意図がまったく不明。「ユニ」つながりだけで思いついたのだとしたら、出来の悪いオヤジギャグのレベルである。

今回のブログの前には
「ユニクロの致命的な弱点見つけたり!」というブログを掲載していたのだが、これもまったくピントが外れており、今更「!」まで付けて言うほどの内容ではなかった。
中身を要約すると、「ユニクロには洋服が好きだという社員が少ない。これってファッション企業として致命的なんじゃないの?」ということなのだが、そんなことはみんなが知っていることで、エクスクラメーションマークまで付けて力説する内容ではない。

反対に、ユニクロはファッション好きな社員が少ないから、あそこまで業績を拡大できたという要素が大いにある。いくらファッション好きでも「CRS」の意味さえわからない社長がトップに君臨するような企業では、単体売上高で6000億円、連結売上高で8000億円の企業には到底なりえなかったであろう

で、やけにこの加藤紘さんは自信満々なのだけれども、
不勉強な自分はこの人のことをまったく知らない。
この陳腐な言説をありがたがって聞かなければならないほどの有力者なのだろうか?疑問と謎は深まるばかりである。

80年代の学生の方が内向き。若者叩きはオッサンの八つ当たり

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 最近のオヤジ世代の若者叩きは異常だと思う。自分たちのふがいなさを棚にあげての八つ当たりだろう。

昨日、それを客観的に論じたブログを見つけたのでご紹介したい。

「若者は内向き」の欺瞞
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20110111/p1

くどくどしくは述べないが、ご一読いただきたい。

とくに「若者の内向き」とステレオタイプに批判するオッサンが多いが、その根拠として日本人の海外留学者数の減少を挙げる。
しかし、文部科学省の統計データで見ると、08年は07年より減少しているものの、バブル最盛期の80年代よりも圧倒的に多い。


http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/12/1300642.htm


自分が大学に入学した89年の留学者数は22,798人だが、08年は66,833人であり、89年当時の約3倍の学生が海外留学をしている。
92年でも39,258人であり、ピーク時の04年の82,945人の半分以下である。
しかも、89年から92年は、学生人口が現在よりも多いのにもかかわらず、現在の半分程度しか留学していない。
現在の学生数は減少しているから、留学経験者の占める割合は、80年代・90年代よりも高いということになる。



「海外留学をしないから今の若者は内向き」と言う論法を当てはめれば、80年代・90年代の学生のほうがよほど「内向き」である。それ以前の年代の学生はさらに「内向き」である。


また近年は、韓国企業礼賛の記事、風潮が強いが韓国経済が復活できたのは、97年の通貨危機でIMF管理下に入った際に、年功序列と終身雇用を一気に廃止したことが大きかったと言われている。
なら、韓国企業礼賛のオヤジ連中は、終身雇用と年功序列の廃止に賛成できるのだろうか?
個人的には、終身雇用と年功序列、新卒一括採用の3点セットで廃止にすべきだと考えているが、大半のオッサン連中は到底賛同できないだろう。

今のオッサン連中に終身雇用と年功序列廃止の覚悟があるなら、若者批判と韓国企業の礼賛を続けると良い。できないなら、オッサン連中こそ口先だけの輩である。

都合の良い新入社員を求めるのが企業

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 就職氷河期なのに…新入社員半数以上が「退職検討中」のワケ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110105/dms1101051612016-n1.htm

という記事が掲載された。

従業員200人以上の企業に、2010年度に入社した社員の半数が退職を意識しているというアンケート結果が発表された。

これに対して「青い鳥症候群」だとか「若者の我慢が足りない」とか「せっかく就職できたのにもったいない」とかの意見が目立つが、どれもあまり適切ではないと考えている。

昨年4月に入社した新卒者というのは、就職氷河期にも関わらず就職できるほど能力的に優秀である。バブル期以前の入社組とは雲泥の差であろう。どちらが泥かは言うまでもない。
そして、企業は海外進出に向けて「語学堪能で、チャレンジ精神旺盛で上昇志向のある学生、専門性のある学生」を求めてきた。その結果採用されているのだから、企業が掲げた人物像に当てはまっている場合が多いだろう。

しかし、冷静に考えれば、語学堪能でチャレンジ精神旺盛で、上昇志向のある学生を、従来通りの管理職、経営者が使いこなせるだろうか。
リーマンショック以前の日本企業は「オールラウンダーになりえる従順で明るい男子学生」のみを採用してきた。
過去数十年間の採用基準である。
愛嬌と従順さのみで採用された人間が管理職・経営陣として、前述の学生をうまく使いこなせるはずがない。

さらに言えば「専門性の高さ」を基準に採用しているにも関わらず、自分たちがされたようにオールラウンダーになるための仕事をさせられることに対して、新卒者は不満を抱いて当然である。

また、上昇志向の強い新卒者が、明確な昇進基準さえない日本企業に愛想を尽かすのも無理はない。

自分は6社転職したことがあり、従業員200人以上の会社には1社しか所属しなかった。94年入社なのだが、この会社でも昇進基準などなかった。人事コンサルタントの城繁幸さんが著書で書かれているように「日本企業は昇進基準が明文化されていない」を地で行く企業だった。
入社1年後はほぼ、誰でも店長になるが、その後の基準がわからない。「店長として連続24カ月売上予算を達成すれば、次はエリア長になれる」という具体例は一切ない。
そして店長になっても手当ては増えず休日は減るので、いわば「名ばかり店長」だった。

おそらく多くの企業がこんな感じなのだろう。城繁幸さんのご出身である富士通も明確な昇進基準がないという。大企業、富士通ですらこうなのだから、あとは推して知るべしである。
こういう勤務環境で「語学堪能で、チャレンジ精神旺盛、上昇志向あり、専門性高い」の新入社員が満足するはずがない。

海外進出に向けて、外国人にも負けない精神性を持った学生を採用しながら、運用する管理職・経営陣が旧態依然とした日本式なのだからお話にならない。
いわば「仕事のやり方は外国人並みだけど、日本式の運用には従順な学生」が欲しかったのだろうが、そんな都合の良い人間は世の中に存在しない。

若者に「世の中を舐めるな」というが、オッサン連中の方が世の中を舐めている。
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