南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

80年代の学生の方が内向き。若者叩きはオッサンの八つ当たり

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 最近のオヤジ世代の若者叩きは異常だと思う。自分たちのふがいなさを棚にあげての八つ当たりだろう。

昨日、それを客観的に論じたブログを見つけたのでご紹介したい。

「若者は内向き」の欺瞞
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20110111/p1

くどくどしくは述べないが、ご一読いただきたい。

とくに「若者の内向き」とステレオタイプに批判するオッサンが多いが、その根拠として日本人の海外留学者数の減少を挙げる。
しかし、文部科学省の統計データで見ると、08年は07年より減少しているものの、バブル最盛期の80年代よりも圧倒的に多い。


http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/12/1300642.htm


自分が大学に入学した89年の留学者数は22,798人だが、08年は66,833人であり、89年当時の約3倍の学生が海外留学をしている。
92年でも39,258人であり、ピーク時の04年の82,945人の半分以下である。
しかも、89年から92年は、学生人口が現在よりも多いのにもかかわらず、現在の半分程度しか留学していない。
現在の学生数は減少しているから、留学経験者の占める割合は、80年代・90年代よりも高いということになる。



「海外留学をしないから今の若者は内向き」と言う論法を当てはめれば、80年代・90年代の学生のほうがよほど「内向き」である。それ以前の年代の学生はさらに「内向き」である。


また近年は、韓国企業礼賛の記事、風潮が強いが韓国経済が復活できたのは、97年の通貨危機でIMF管理下に入った際に、年功序列と終身雇用を一気に廃止したことが大きかったと言われている。
なら、韓国企業礼賛のオヤジ連中は、終身雇用と年功序列の廃止に賛成できるのだろうか?
個人的には、終身雇用と年功序列、新卒一括採用の3点セットで廃止にすべきだと考えているが、大半のオッサン連中は到底賛同できないだろう。

今のオッサン連中に終身雇用と年功序列廃止の覚悟があるなら、若者批判と韓国企業の礼賛を続けると良い。できないなら、オッサン連中こそ口先だけの輩である。

都合の良い新入社員を求めるのが企業

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 就職氷河期なのに…新入社員半数以上が「退職検討中」のワケ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110105/dms1101051612016-n1.htm

という記事が掲載された。

従業員200人以上の企業に、2010年度に入社した社員の半数が退職を意識しているというアンケート結果が発表された。

これに対して「青い鳥症候群」だとか「若者の我慢が足りない」とか「せっかく就職できたのにもったいない」とかの意見が目立つが、どれもあまり適切ではないと考えている。

昨年4月に入社した新卒者というのは、就職氷河期にも関わらず就職できるほど能力的に優秀である。バブル期以前の入社組とは雲泥の差であろう。どちらが泥かは言うまでもない。
そして、企業は海外進出に向けて「語学堪能で、チャレンジ精神旺盛で上昇志向のある学生、専門性のある学生」を求めてきた。その結果採用されているのだから、企業が掲げた人物像に当てはまっている場合が多いだろう。

しかし、冷静に考えれば、語学堪能でチャレンジ精神旺盛で、上昇志向のある学生を、従来通りの管理職、経営者が使いこなせるだろうか。
リーマンショック以前の日本企業は「オールラウンダーになりえる従順で明るい男子学生」のみを採用してきた。
過去数十年間の採用基準である。
愛嬌と従順さのみで採用された人間が管理職・経営陣として、前述の学生をうまく使いこなせるはずがない。

さらに言えば「専門性の高さ」を基準に採用しているにも関わらず、自分たちがされたようにオールラウンダーになるための仕事をさせられることに対して、新卒者は不満を抱いて当然である。

また、上昇志向の強い新卒者が、明確な昇進基準さえない日本企業に愛想を尽かすのも無理はない。

自分は6社転職したことがあり、従業員200人以上の会社には1社しか所属しなかった。94年入社なのだが、この会社でも昇進基準などなかった。人事コンサルタントの城繁幸さんが著書で書かれているように「日本企業は昇進基準が明文化されていない」を地で行く企業だった。
入社1年後はほぼ、誰でも店長になるが、その後の基準がわからない。「店長として連続24カ月売上予算を達成すれば、次はエリア長になれる」という具体例は一切ない。
そして店長になっても手当ては増えず休日は減るので、いわば「名ばかり店長」だった。

おそらく多くの企業がこんな感じなのだろう。城繁幸さんのご出身である富士通も明確な昇進基準がないという。大企業、富士通ですらこうなのだから、あとは推して知るべしである。
こういう勤務環境で「語学堪能で、チャレンジ精神旺盛、上昇志向あり、専門性高い」の新入社員が満足するはずがない。

海外進出に向けて、外国人にも負けない精神性を持った学生を採用しながら、運用する管理職・経営陣が旧態依然とした日本式なのだからお話にならない。
いわば「仕事のやり方は外国人並みだけど、日本式の運用には従順な学生」が欲しかったのだろうが、そんな都合の良い人間は世の中に存在しない。

若者に「世の中を舐めるな」というが、オッサン連中の方が世の中を舐めている。

夏物入荷のユニクロ。ちょっと早すぎね?

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 1月6日、ユニクロ心斎橋店を覗いた。

驚いたことに、1階入り口の向かって左側の壁面が、レディースの半そでプリントTシャツで埋め尽くされていた。

ユニクロのシーズン先どり傾向は年々早くなる気がしている。
昨年7月中旬にヒートテックが店頭投入されたときも、「この暑い時期にえらく暑苦しい物が入ってきたなあ」という印象だったし、昨年12月10日ごろに、大量に綿セーターが入荷したときも「これから本格的に寒くなるのに、その前に春物投入?意味不明」と感じた。

年末まで在庫の山だったダウンジャケット類はメンズ、レディースとも数量半減しており、すっかり春物の大コーナーが全館で出来上がっていた。
あの莫大なダウンジャケットはどこへ振り分けられたのだろうか。

季節の商品を先行投入することには、個人的にかなりの抵抗感がある。
百貨店ブランドや、高額ブランドでは先行購買する客層がある程度存在する。しかし、量販店ショップで季節先行商品を買う客層がそれほどいるとは思えない。これは同じプライスラインのユニクロについてもそうだと考えている。

自分は、以前、関西の量販店イズミヤの子会社の衣料品・靴販売チェーン店で店員と店長を務めたことがある。スーパーのテナント出店している企業体である。もう8年ほど前、冬のセールが一段落した1月20日ごろ、
本部から「冬物全品本部返却」の指示があり、春夏物にガラっと入れ替わったことがある。
それこそ「1月6日のユニクロ状態」で、半そでTシャツ類が3割くらい含まれた完全に夏向け商品だった。

ちょうどその年は、1月半ばから急激に冷え込んでおり、まだまだ冬物を着用する可能性が高かった。夏物に切り替わった日から売上高が激減し、辛うじて店頭ワゴンで販売していたセーターの見切り品処分品で売り上げを稼ぐ日々が続いた。
自分も半そでTシャツを着たマネキンを見て「なんか寒々しいなあ」と感じたのだが、おそらく消費者も同じ感想だったのではないだろうか。

衣料品の購買傾向は年々、気温対応型となっている。これは百貨店から量販店まで全ジャンルの売り場が認めていることである。まれに8月末にダウンベストを着用している人を見かけるが「よくあんな暑苦しいものを我慢できるな」というのが率直な感想で、かっこ良いとは思えない。
とくに量販店・低価格店では高額店よりも気温対応型購買の傾向は強くなる。暑ければ半そでを買い、寒くなってから防寒を買う。

この消費者心理と大きく外れた動きをするユニクロは大丈夫なのだろうかと、他人事ながら心配になる。


蛇足だが、今回のユニクロ心斎橋店の商品移動の特徴を挙げておく。
冬物は半減したのだが、まれにごく一部の冬物に関しては新たに(おそらく自社他店から)入荷している。
これまで、定期的に観測していた2品目の例を挙げたい。
1つはタータンチェックのダウンジャケット(元値9990円→今3990円)である。
もう1つはライトウールチェックジャケット(元値6990円→今1990円)である。

タータンチェックダウンは、赤とグリーンの2色があり、1月6日時点では店頭に7枚ほどが残っているだけだった。12月20日まではかなりの数量があったのだが、3990円の値下げ効果だろう。
しかし、年末に観測した際にはLサイズが品切れとなっていたのだが、1月6日時点ではLサイズが数枚残っていた。これはどこかの時点で他店から入荷したと思われる。


つぎにライトウールチェックジャケットだが、これは黒字にブルーグレーのウインドーペン柄と、紺とグリーンのブラックウオッチ柄の2色である。秋口に投入されてからたっぷり4カ月くらいは滞留している商品なのだが、これも12月10日の時点で黒が残り、紺はほとんどなくなっていた。とくにLサイズは品切れだった。
1月6日の時点では、黒がほとんどなくなり、紺は枚数を増やして残っていた。品切れだったLサイズも豊富である。これもどこかの他店から入荷したと推測される。

その店舗の商品のリズムをつかむためには、一つの品番に絞って定期的に数量、色、サイズの揃え方をチェックするのも役立つのではないだろうか。
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