南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

アパレル店こそPOPを多用すべき

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 以前、自分は3年間ほどギフト業界に身を置いたことがある。いわゆるギフトショップやギフト問屋、それらに納入するメーカーを相手に取材したり広告営業をしたりした。
ギフト業界というのは、かなり広いジャンルを扱う業界で、食品・雑貨・日用品・一部の繊維製品(タオルなど)のほか、販促品やノベルティーグッズ、カレンダーなども扱っている。

そのギフト業界では、販促のセミナーがよく行われており、自分も年に何度も取材をかねて出席させていただいた。
販促セミナーでは「目を惹くチラシの作り方」や「わかりやすくてキレイな店頭POP」の作り方などが多く、非常に勉強になった。

例えば、本屋やケーキ屋、ファンシー雑貨屋などでは商品の特徴とかセールスポイントを書いたPOPを各棚に設置してある。「店員の○○さんが選んだ泣ける本」とか、「○○産の原料を使用し、○時間煮込むことで甘さとコクを引き出した○○」などである。各セミナーではヴィレッジバンガードのPOPが理想例として挙げられている。

これらのセミナーを聴いて「なるほど」と思うことしきりだったのだが、翻って考えてみれば、洋服店の店頭ではあまり見たことがない。丁寧な接客が売り物の「エルメス」「ルイ・ヴィトン」などの高級店や、オーナー経営でガッチリと固定客を掴んでいる小規模店ならPOPは必要ないが、全国チェーン展開しているブランドにはPOP類が必要だろうと感じていた。
なぜなら彼らの接客や商品説明はへたくそだから。一概に「へたくそ」とまとめては叱られるが、一部にはすごい接客・商品知識の方もいらっしゃるが、アルバイトも含めるとたいがいのスタッフはあまりレベルは高くない。

昔、某有名セレクトショップで、商品を見ていたとき、おもむろに若い男性の店員さんが声をかけてきたことがある。ジーンズ類を見ていたのだが「その素材デニムなんですよ」と当たり前のことを言われて苦笑したことがある。で、個人的にはこういうセールストークをされるくらいなら、POPで説明してほしいと思う。

そんなことを考えていた矢先、
何度かセミナーを聴講させていただいた、販促コンサルタントの藤村正宏さんからのメルマガが届いた。
内容は、アパレルの招待状についてである。
ついに藤村さんのセミナーをアパレル関係者も受講し始めたのか、と感慨深かった。

以下にメルマガを引用させていただく。


  よく、展示会の案内状などが届きます。


  でも、けっこう「伝わっていない」ものが多い。


  特にアパレル(ファッションメーカー等)。
  ただ、格好よくデザインされているだけ。

 
  「INVITATION」


  とだけ書かれていて、あとは日時と場所だけしか書いていない。

  そういうのをもらっても



  「ん~~・・・わけがわからん」



  もちろん、展示会に来てほしいのでしょうけど、
  それは推察するしかない。


  お客さまに推察させるような案内状は
  反応が悪くなるのは、あたりまえ。


  だって、みんな忙しいのです。
  『推察』している時間なんかない。



  アパレルだから、格好よくクールにしたいんでしょうけど
  残念ながら、あなたのところは、シャネルやエルメスじゃない  し・・・

  そんなの反応が悪くなるのは当然。
  どうしてほしいのかが書いていないんだから。



  たぶん、わかってもらえる人だけ来てもらえればいいのかもしれない。

  推察して、わざわざ会場を調べて、
  行動する人しか相手にしていない

  
  「売れに売れて、これ以上売りたくないのか?」


  そう思わざるをえません。




  ボクの知り合いのアパレルメーカーも
  以前はそういう

  『格好いいけど、まったく伝わらない』

  展示会の案内状を出していました。




  『フラム・クリップ』というアパレルメーカー。



  ここの社長さんいつも短パンをはいていて
  ニックネームは『短パン』っていいます。
  (ベタやな~)


  「こんな案内状ではお客が来ない」


  そこで案内状を変えました。


(中略)

  新年に届いたんですけど、
  多くの年賀状に交じって、

  ものすごく「目立つ」。



  大きな『お年玉』という文字。



  一目で「なんだぁ~?」と思う

  
  
  必ず手にとって、開封したくなります。



  その中には、なんと米ドル札を模した案内状が・・・



  紙幣はもちろん通常より大きくて
  肖像が入っているところには

  この社長の肖像。

  (どんだけ自分が好きやねん)とツッコみ入れたくなる(笑)



  裏には、スタッフの肖像。



  ほかには社長の手書きの手紙が同封されています。
  新作展示会に来てくださいという熱い思いがつづられている。



  これは、確実に反応がいいと思う。



  この会社の展示会来場者の記録を大幅に塗り替えるでしょう。


  
  この会社の案内状

  以前のもの(ビフォー)と
  現在のもの(アフター)を


  見比べてください。
  ここに画像をアップしておきました。


   ↓ ↓ ↓

http://k.d.cbz.jp/t/x2qe/a0sgvcu07ilgvgnlxv


 
  どんなに格好が良いデザインでも
  どんなにクールなものでも
  どんなにお得な内容でも



  反応してもらえなかったら、意味がないんです。

  
  それは、お金の無駄。

  
  無駄な紙や労力を使うから、地球環境にとっても悪い。

  反応がないから、働いている人も作った人も

  がっかりする。

  モチベーションが下がる。
  そして、売上が下がる。

  給料が下がる。

 
  
  そう考えると、伝わらないものを作るというのは


  『罪』なんです。

とある。

自分は店頭のPOPも同じではないかと思う。
例えば「Tシャツ1000円」とか「ダウンベスト50%オフ」というような、商品名と値段、もしくは商品名と割引率しか書いていないPOPがアパレルショップにはやたら多い。
藤村さん流に言えば「これでは伝わらない」である。値段や割引率はわかるけれども、その商品にどういう特徴があり、なぜお客さんに買ってもらいたいのかがまったく伝わらない。

で、このPOP作りがアパレル店で一番うまく、一番活用しているのはユニクロだと思う。たしかに「クルーネックTシャツ1000円」という商品名+値段だけのPOPもあるが、その付近には「プレミアムコットンについて」や「メイドインジャパンジーンズについて」など素材や商品の特徴を「キチンとわかりやすく」説明したPOPが必ずある。
では、他はどうか?ライトオンやマックハウス、ジーンズメイトはしているか?自分の知る範囲ではしていない。

ビームスやユナイテッドアローズはどうか?ごく稀にPOPがあるが、ほとんどないと言っても差支えないだろう。こういうセレクトショップのスタッフは抜群に接客のうまい、商品説明のできる方もいらっしゃるが、そうでないアルバイトの店番みたいなスタッフも多くいる。ヴィレッジバンガード並みのPOPが必要ではないだろうか。

クールにかっこよくしたいからPOPはそぐわないという意見の方もいらっしゃると思うが、何も黄い紙に赤文字で書くことだけがPOPではない。
黒い紙に鈍いシルバーで印字しても良いし、ベージュの紙にこげ茶色で文字を書いても良い。白い紙に濃いブルーの文字にすればさわやかなイメージになる。いくらでもかっこよくて、しかも購買につながるPOPは可能だと思う。

参考にユニクロの通常POPとプレミアムコットンの素材説明POPを写真で貼り付けておく。

CA3G0069

(プレミアムコットンのPOP)


CA3G0071

(通常の商品名+値段のPOP)

ライトオンとジーンズメイトの1月売り上げ速報

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 恒例のライトオンとジーンズメイトの1月売上速報が発表された。
結果を言ってしまえば、ライトオンは微減なのに対して、ジーンズメイトは15%減に近い。年始のバーゲンが含まれていてこの数字では、ジーンズメイトは相当に不振だと言えるだろう。

しまむらと同グループのアベイルの数字も合わせて紹介する。

ライトオンの1月売り上げは

既存店売上高が前年比3・5%減
既存店客数が同10・0%減
既存店客単価が同7・2%増

と前年微減にとどまった。

一方、ジーンズメイトの1月売り上げは

既存店売上高が前年比18・2%減
既存店客数が同14・6%減
既存店客単価が同4・3%減


と前年割れの幅が大きい。

ちなみに、しまむらの1月売り上げは
既存店売上高が前年比2・5%増、

同じグループのアベイルも
既存店売上高が同1・0%減

とそれぞれ微増と微減にとどまっており、まずまずの堅調ぶりだ。


ライトオンもマックハウスも苦戦傾向にあることは変わりないが、ジーンズメイトの苦戦ぶりは群を抜いている。既存店を何店舗か大阪市内で見て歩いている(鶴橋店除く)が、店作りがややすっきりした以外はあまりこれまでと変わっていない。商品のテイストを変えるでもなく、商品の仕入れ先を変えるでもない。あくまでもこれまでの延長線上に止まっている。

ライトオンはニット好調・防寒物苦戦としており、しまむらは保温肌着「ファイバーヒート」とウールコートが好調だったと言う。ライトオンが苦戦した防寒物というのは、おそらく「洗えるダウンジャケット」だと推測される。
ちなみにジーンズメイトも自社企画ダウンジャケットを販売しており、定価7900円だが、ずっと4900~2900円の間で販売されている。これ以外にも中価格・高価格帯のダウンジャケットも仕入れている。かなりダウンジャケットを豊富に持っており、それが動いていなかった。

その一方で、ライトオンが好調だったというニットは、ジーンズメイトにはほとんど入荷していない。この辺りの商品政策のミスジャッジも苦戦の要因の一つだろう。


新規の好材料がなく、懸念材料しかないにも関わらず、ジーンズメイトの株価が昨年12月半ばに急騰したことから、なにか今後大きな動きがあるのではないかと考えている。
株価チャートを見ていただけばわかるのだが、昨年11月末までは180円くらいだった株価が、12月半ばに急騰し、一時期400円を越えている。一挙に2倍以上である。
その後、じわじわ下がり始めて、現在は340円くらいだが、それでもまだ昨年11月の2倍弱である。

あまり株にはくわしくないのだが、「ジーンズメイト側が身売りの準備を始めたか、ジーンズメイトを買収したい企業が介入したかのどちらかではないか」と考えている。

ジーンズメイトは今年、来年が企業存続の正念場だろう。

1月もユニクロは前年割れになる

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先週、先々週と大阪市内のユニクロを3店舗廻ってみた。心斎橋店、なんばマルイ店、それから動物園前店である。

心斎橋店と動物園前店は、1月14日時点で店内の8割が春物で、心斎橋店にはドライ半そでポロシャツやリネンシャツなどの夏物が早くも入荷していた。
なんばマルイ店は、春物が6割程度とやや少なめで、ラムウールセーターなどの冬物がまだそれなりに残っていた。

異様に早い春物への切り替えを見ていて「1月の売上高もユニクロは前年割れ」だと推測している。

衣料品業界には気温や用途に応じた「実需」の部分と、実用部分を度外視した「ファッション」の部分にわかれるが、ユニクロは前者の「実需」のためのブランドである。
一方、「ファッション」として挙げられるのは、ルイ・ヴィトンであり、シャネルでありコム・デ・ギャルソンでありという高級ラグジュアリーブランドや高級デザイナーズブランドになる。

イッセイミヤケの前社長、太田伸之さんのブログを定期的に拝読しており、いつも勉強させていただいている。先日、1月20日付けのブログで春物の立ち上がりについて書いておられる。

http://plaza.rakuten.co.jp/tribeca512/diary/201101200000/

イッセイでは1月初旬から春物が全面的に立ち上がり、店頭のディスプレイも春物に切り替わっているようだ。1月初旬といえばバーゲン開始直後なので、かなり早い。
そして春物について次のように書いておられる。

このところ都内でも体感温度ゼロ度に近い寒さ、そんな中で春物を買っていただくには、お客様の心を揺さぶって「欲しいっ!」と感じてもらわねば。マネキンの脚1つとっても、春らしい明色のストッキングやタイツを組み合わせてチラリと春の到来を強調すべきでしょう。

とのことである。
イッセイというブランドだからこそ、極寒の中で「春物」を立ち上げて販売できるし、それを期待している客層がほとんどであろう。

しかし、ユニクロはそういうブランドなのだろうか?そういう客層が数多くいるのだろうか?身の回りのユニクロ店舗を見れば見るほど、大衆向けブランドであり、イッセイのような客層は数少ない。体感温度ゼロ度に近い状況では、冬物が求められる。
「寒いけれど、春の立ち上がりの新商品が欲しいわ」と考えるような客層はユニクロにはほとんどいない。

しかも、ユニクロよりも感度の高いお客が多いとされるビームスやユナイテッドアローズなどの店舗は、店内に春物が入荷されているものの、打ち出しはまだまだ「冬物最終セール」である。ビームスやユナイテッドアローズですら、こうなのにユニクロがそれらを飛び越えて季節先取りをする意味がわからない。
このままの商品展開が進めば2月もユニクロは前年割れを続けるだろう。

このブログは写真が少ないとのご指摘があるので、「シャネル」のディスプレイを貼り付けておく。春らしいライトオンスデニムのコーディネイトだが、ヘソ出しとミニスカートがいかにも寒々しい。これでも「欲しい」と思わせるのはブランドのステイタス性があればこそだろう。これと同じ提案をユニクロがしているのはいかがなものだろうか?

CA3G0072

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