南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

綺麗事ばかりのプロフィールなんて・・・・

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 12年前のブランドデビュー以来、変わらずお付き合いさせていただいている「Si-HIRAI(スー・ヒライ)」デザイナーの平井達也さんが、「サンヴェットモン」というブランドのホームページを紹介してくださった。

平井さんによると「サンヴェットモン」デザイナーの水野直昭さんは、独立前の職場の後輩にあたるそうで、今でも交流があるという。
水野さんは、以前「ヴェットモン」というブランドを展開しておられたが、ブランドを休止してその3年後に、新ブランド「サンヴェットモン」として再デビューされたという経緯がある。

平井さんが注目されたのは、新ブランド「サンヴェットモン」のHPのブランドプロフィールの部分である。
http://www.saintvetement.com/brandprofile.html

画面は字が小さく文章が長いので多少読みづらいが、ブランドが変わるにいたった経緯、休止の間にしていたこと、新ブランドのスタンスが丁寧にインタビュー形式でマイナス面の要素も含めて書かれている。

元来「ヴェットモン」は大手企業の資本参加によって展開されていたブランドであったが、その企業が資本を引き上げたことからブランド休止に至ったという。ブランド休止後、水野さんはアパレル企業で3年間働いた後、再び「サンヴェットモン」を立ち上げた。
ブランドプロフィールにはさすがに「資本が引き上げられたから」とは語られていないが、「様々なところに問題が発生し、解決不能になり止めざるを得なくなりました」と素直に自分の言葉のように語られている。

また休止中についても「大量生産、大量消費を改めて学んで」と説明されている。

平井さん同様に、自分もなかなかに良い説明だと感じた。

通常、ブランドや企業の成り立ちは、とかく「きれいごと」しか語られていない印象がある。ましてや自社のHPやパンフレットにおいては、それこそ胸やけするくらいのきれいごとで埋め尽くされている場合が多い。
しかし、実際に取材をしてみると、マイナスの要素も含む紆余曲折を経て企業やブランドが成長してきたことがわかる。そういう話にはやはりリアリティがある。綺麗事で埋め尽くされたプロフィールにはリアリティがない。

少し誇張して表現する。

「○○ブランドは、開始数年後に、一旦経営が厳しくなりましたが、大手企業××の善意のみによって援助され、そこからもう一度がんばりました。そして20年後ようやく本社ビルを持つに至りました」

というような経歴説明がしばしばある。

しかしここには、なぜ経営が厳しくなったのかが説明されていないだけでなく、大手企業××の援助の意図がわからない。多くの場合、大手企業××が善意のみで援助するわけがない。またその後、20年間どのようにがんばったのかがまったく見えない。リアリティが皆無であるために、読み手に何の感動も印象も与えない。おそらく記憶にも残らない。


自分の(自社の)マイナス面をさらけ出すのは大変な勇気がいると思う。だからといって自社経歴やブランドプロフィールが完全な綺麗事に終始すると、読み手側にはまったく響かない。そういう意味では「サンヴェットモン」のブランドプロフィールはある程度正直にマイナス面をカミングアウトすることで、好印象を与えている。

年の半分はバーゲン。安売り万歳。

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 バーゲンの時期が年々早まっている。しかし、若い方々はどれくらい早まっているのかあまりわからないのではないかと思う。

11月9日の繊研新聞の1面下のコラム「め・て・みみ」にバーゲンのことが書かれており実際にどれくらいバーゲン時期が始まったかがわかる。
以下に抜粋する。

「昔って夏物バーゲン、お盆明けだったよね」という話題に。
「そうそう30年くらい前、阪急ファイブは8月最後の週だった」「実際、秋物が並ぶのも9月中旬からだった」「なんでこうなっちゃったんだろう」

とある。
どうもこのコラムを書いた記者さんは関西在住もしくは関西出身のようである。なぜならたとえに挙げるのが「阪急ファイブ」だからだ。これは今、梅田にあるHEPファイブの前身の商業施設だ。

この記者さんが書いているように、30年前というと1980年代は、夏のバーゲンは8月中旬に、冬のバーゲンは1月下旬もしくは2月上旬に、いや下手をしたら2月下旬くらいに始まっていた。
気温的にはまだ2,3週間着られるが、その季節のピークは終わったという頃合いに始まっており、まさに理にかなった値下げである。

今月、11月は秋冬物が定価で販売できる最後の月。来月12月からはあちこちで「シークレットセール」「メンバーズセール」「プレセール」「クリスマスセール」「フライングセール」が始まる。いろいろなネーミングでごまかしてはいるが要はバーゲンだ。
そして、1月1日から全面バーゲンとなり、それが牛のヨダレのようにダラダラズルズルと2月20日ごろまで引きずられる。

夏は6月から名称ごまかしバーゲンが始まり、7月から全面バーゲン。お盆明けまでズルズルダラダラとセールが続く。

夏冬合わせると合計6カ月、年の半分はバーゲンという計算になる。


繊研新聞の記者さんではないが、まさに
「なんでこうなっちゃったんだろう」
である。
毎年、繊研新聞などで各メーカーのトップ、各小売流通業のトップが「セールの前倒し反対」を語るが、そういうトップの在籍する企業が率先して早期セールを行うのだから笑い話にもならない。あれは業界新聞向けのリップサービスということだろうか?
それなら、古い話で恐縮だが、ラッシャー木村のマイクパフォーマンスの方がよほど面白い。

素朴な疑問なのだけれど、メーカーと小売流通業のトップが集まってバーゲン開始時期の協定を結ぶことはできないのだろうか?ただ、繊研新聞紙面で「バーゲン早期化が問題だ」と語っていても何も始まらない。実際に早期化させているのは自分たちなわけだし。

ユニクロの売れ行きは気候要因に左右される。と思う。

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 昨日から全国的にさらに冷え込んできた。この気候では、防寒衣類がさらに活発に動くのではないかと予想され、不景気な業界にはとりあえず明るい話題だと言える。


いつも拝読し、勉強させていただいているブログの1つに、イッセイミヤケ前社長の太田伸之さんのブログがある。
http://plaza.rakuten.co.jp/tribeca512/

文章が丁寧で、毎回かなり詳細にいろいろなことを説明してくださっている。結構な長文なので集中力のないときには、読むのがつらくなるときもある。
その中で、ユニクロの9月度の不振について、「一部マスコミが猛暑のせいにしているが、そうではない」旨を説明されておられる。太田さんは常に「売れ行きの良しあしを天候のせいにしてはいけない」とおっしゃっている。
http://plaza.rakuten.co.jp/tribeca512/diary/201010100000/

長文なのでところどころを抜粋させていただく。
モンクレールのダウンジャケットが8月から好調に売れていることについて触れておられ、

気候が暑かろうが高額ダウンが売れる、これぞファッション。私はよく「売れない理由を絶対天候のせいにするな」と社内会議で言い続けてきました。
(中略)
猛暑にめげず月予算も前年対比もクリアしているショップがあります。そのショップの空調システクが故障して暑かったならまだしも、売れない理由を単純に天候のせいにしていては何の解決にもなりません。業績不振ならば、その問題点が品揃えにあったのか、ディスプレイなどの見せ方にあったのか、人事異動などでスタッフ問題があったのか、お客様へのアプローチがうまく行かなかったのか、正確に問題点を突き詰め同じ失敗を繰り返さないよう工夫する、店長も担当営業もこうでなくてはなりません。

とある。

たしかにおっしゃる通りで、
猛暑にも関わらず売れている秋冬アイテムもあるし、厳寒にも関わらずまったく動かない防寒アイテムもある。
「ファッション」ブランドであるなら、ブランドステイタスや丁寧な接客、アイテムのデザイン性などで天候要因をカバーできる。
イッセイミヤケのシステムについても、

店長は不振理由を絶対に天候のせい、商品のせいにしてはいけません。営業振り分けで自動的に本社が商品を配布するシステムならともかく、わが社は店頭に発注権を与えていますからマーチャンダイジングは店長の仕事、自分で品揃えしておいて商品のせいにされては困ります。もしそんな発言する店長がいたら、担当営業は部長に店長交代を求めたらいいのです。

とのことであり、店長がMDを組み立て、自分で自社製品の中から仕入れ品を決められるシステムになっている。

イッセイミヤケの「ELTTOB TEP」が大阪市南船場にある。Tくん(仮称)という顔見知りの販売員の方がいるのだが、いつも丁寧に商品説明をしていただく。こちらはイッセイの商品など買えるお金を持っていないのでいつも雑談程度にいろいろと教えていただくにすぎないのだが。

で、冒頭のユニクロに戻ると、
ユニクロは気候要因にやはり左右されると思う。
店長がMDを組み立てているわけでもなければ、自社製品をセレクトしているわけでもない。加えてTくん(仮称)のような丁寧な接客もない。ないというよりも「セルフ買い物方式」こそがユニクロの目指す方向性である。

自分もイズミヤというスーパーの子会社、三元株式会社(現社名ビーユー)社員として、3年弱、スーパー内のテナントで洋服、靴を販売したことがある。もちろん、イッセイほどの接客はしないし、できるほどの腕もなかった。お客さんは「セルフ方式」で買い物をしてゆかれる。
そういう店頭では、当然のことながら気候要因は大きい。寒ければ半袖は売れないし、暑ければ防寒衣類は売れなかった。
ましてや本部から予期せぬ商品がドサっと送られてきた日には、頭を悩ませながら品出しをした。

モンクレール、イッセイミヤケのようなファッションブランドと、量販店系ブランドとではお客さんのモチベーションは絶対に異なる。ユニクロはどちらかというと量販店系のプライベートブランドであるので気候要因は大きくなるのではないか。

現に寒くなると肌着業界が活性化する。ユニクロのヒートテックに限らず防寒肌着が全般的に動く。夏の涼感肌着も各社がキャンペーンをしているが、防寒ほどの大きなムーブメントにはいまだになりきれていない。

そういう流れからするとユニクロに限らず、ライトオン、マックハウス、ポイント、ハニーズ、しまむらなどの量販店系のショップは気候要因が大きなウエイトを占めると考えている。

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