南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

食料品は値上がりしたが、アパレル製品は?

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 2月にニューヨークの綿花相場が1ポンドあたり2ドルを突破して、綿花高騰が止まらない。また羊毛も高騰を続けており、23年ぶりの高値となっているという。

ウールマークのHPに
3月4日付けで「豪州:23年ぶりに13豪ドル台乗せ、1,307豪セントで引ける」と題した記事が掲載されている。

http://www.wool.co.jp/news/woolprices/woolprices.html

記事によると

予想通り中国・イタリアを中心とする競合が激化、中~太番手や紡毛用原料も全面高の展開となり、AWEX東部市場価格指標(EMI)は前週比21豪セント続伸して1,307豪セントと、ついに13豪ドル台に乗せた。1988年5月第2週以降の最高水準で、史上最高値(88年4月第3週)まで25豪セントに迫っている。

とのことである。

しかし、原料は高騰しているものの、アパレル製品は一向に値上がりする気配もない。

つい先日、某経済雑誌記者とお話させていただいたのだが、彼らによると「アパレル各社に値上げを訪ねても『昨年と商品のデザインが異なりますからね~、一概には比べられません~』とのらりくらりの返事しか返って来ないです」という。
たしかにアパレルの製品は、よほどの定番商品を除いて毎シーズンデザインが変更される。だから、昨シーズンの商品とは単純に価格を比較できない。これは正論であるが、正論を隠れ蓑に使った「逃げ口上」だと見なして差支えないだろう。


例えば、カジュアルパンツは約200円値上がりします。とか、カットソー類はだいたい100円前後の値上げとなりました。という言い方は可能である。それをしないということは、アパレルが製品を値上げする気がないということである。また、製造業者にしわ寄せするつもりだろうか?


某業界団体の役員が1カ月ほど前に「なぜ大手マスコミはアパレル製品値上げの報道をしないのか。食料品は報道されているのに」と息巻いておられたが見当違いもはなはだしい。なぜなら、食料品メーカーはそろって「製品の値上げ」をきちんと発表しているからである。コーヒーを一例に挙げると、AGFやネスレなどの大手がそろってコーヒーの値上げを発表している。大手数社が発表をすればマスコミは「コーヒーは値上げ」と報道するわけである。

某役員には申し訳ないが、アパレル業界でキチンと「値上げ」を発表した大手があっただろうか?記憶する限りはない。例えばユニクロとワールドとオンワードとイトキン、ファイブフォックスあたりが値上げを発表すればマスコミは「アパレル製品値上げ」を報道する。反対に「値上げ」を発表していないのに、マスコミ各社が「アパレル製品値上げ」のキャンペーンを張ることはできないし、わざわざキャンペーンを自主的に張るほど、マスコミはアパレル業界に恩義も感じていない。

いずれにせよ、マスコミにアパレル製品値上げを採り上げてほしいのならば、大手アパレルがきちんと値上げを発表すべきである。

イッツインターナショナルは素材説明POPを大きくすべき

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 実は9日から今日、11日まで東京にいるのだが、昨日初めてイッツインターナショナル原宿店に入店した。

http://www.its-international.net/index.html

安くて手軽だけれども品質の悪いファストファッション勢に対抗する目的で作られたブランドで、高品質・中価格を目指している。例えば日本製のジーンズが8900円、吊り編み機と言われる機械で編んだスエットパーカーが6300円という価格帯である。

また、3足1000円の無地カラーソックスや4足954円のショートソックスはなかなかにお買い得品だと思う。

しかし、残念なことにpopが小さすぎるように感じる。

例えば「吊り編み機で編んだスエットパーカー」も名刺大よりも少し大きめのpopしか付いていない。これではお客さんにはあまり伝わらないし、もしお客さんが満員(このブランドにはそういう状況はあまりないとのことだが)の場合で、接客ができない場合はpopがあるとお客さんはそれを読んで時間を潰してくれる。

高品質・中価格というコンセプトはポイントの新ブランド「ナッシュダレック」に通じる部分があるのだが、ナッシュダレックはファッション性で売り出すことを主眼としていることから、生産に対するpopはあまり必要ない。しかし、イッツインターナショナルはベーシックアイテムで展開しており、生産に関する事が「売り」の一つでもある。やはりより分かりやすい、目につきやすいpopが必要ではないだろうか。

このブログで、以前にユニクロの「プレミアムコットン」のpopについて書いたことがある。イッツインターナショナルもユニクロくらい大きめの素材説明popを取り付ければ良いのにと思う。


今まで東京にしかなかったイッツインターナショナルだが、神戸店がオープンし、4月には阿倍野店がオープンする。店舗数が増えるとともに販売促進の手法も進化してほしいと願っている。




物作りは素人であり続けるユナイテッドアローズ

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 先日、ユナイテッドアローズの生産地誤表記が大々的に報じられた。朝日新聞のURLを貼り付けておく。

http://www.asahi.com/national/update/0304/TKY201103040497.html


記事によると、

販売したシャツやバッグなど38商品・4683点(1816万円相当)の原産国表示を誤ったと発表した。中国製バッグをイタリア製とした例もあり、消費者庁は近く、景品表示法に基づき改善を命じる行政処分を出す方針だ。

とのことである。
それにしても4683点もの商品が誤表記とはちょっと多すぎる。

ユナイテッドアローズは、以前から誤表記が多く、07年にも「カシミヤ0%」のストールを「カシミヤ70%」と表記したり、輸入スラックスブランドの原産国を「トルコ」ではなく「イタリア」と表示して大々的に報じられている。実はユナイテッドアローズのHPを見ればすぐにわかるのだが、これら以外にも数々の誤表記がほぼ毎月発覚している。

http://www.united-arrows.co.jp/info/index.html

これだけ誤表記が毎月続いてなぜ改善されないのかが不思議でたまらない。


おそらく、企画担当者が商社やOEM/ODMメーカーに商品作りを丸投げしているのだと考えられる。丸投げしているから業者が付けた製造表記をそのまま信用するしかないのだろう。自分たちで製造業者や工場と直接折衝すれば再発は防げる問題である。

ユナイテッドアローズの商品の選択センスや販売力はずば抜けているが、企画・製造・生産は素人集団のままである。どんな業種でも長年続けていれば少しずつ進歩するものであるが、ちっとも進歩しないということは、物作りに関しては少しもまじめに取り組んでいないということだろう。

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