南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

年配男性に強い「綿100%信仰」

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 例年よりも寒い印象のある今年の春だが、ようやく暖かくなってきた。
ユニクロは早々と1月上旬からドライTシャツが店頭に並んでいて非常に寒々しかったのだが、そろそろ、各社ともに吸水速乾Tシャツが動き始めるのではないだろうか。

通常、ユニクロのドライに限らず各社の吸水速乾Tシャツには綿・ポリエステル混素材が使われている。ポリエステルの方が綿よりも早く乾くという特性を生かしてのことである。
ポリエステルを使うと、速乾以外にも重量が軽い、糸の番手が細いため生地が柔らかくなる、などの特徴も付け加わる。

あるSPAブランドの50歳代の外部コンサルタント氏は「適度にポリエステルが入っているTシャツの方が軽いし柔らかいから着心地が良いと思う」とおっしゃっておられる。自分も何枚かポリエステル混のTシャツを持っているが、完全に同意である。
おそらく、今の20代・30代の消費者はTシャツの素材が綿100%だろうが、綿・ポリエステル混だろうがどちらでも構わないのではないだろうか。

しかし、個人的な印象だが、50歳代以上の男性は「綿100%信仰」というものが非常に強いと思う。何人か50歳代の男性とお話した限りでは「ポリエステル混のTシャツとかワイシャツは暑い。綿100%が最高」とおっしゃっている。彼らが着用したTシャツ・ワイシャツのポリエステルの混率や、糸の番手の太さなどをつぶさに調査したわけではないから何とも言えないが、その多くは「思いこみ」ではないかと思う。

聞くところによると60年代~80年代前半までのポリエステル素材は、現在の物よりも吸水性も肌触りも悪かったという。現在の50歳代以上の男性にはこのころのポリエステルへの悪印象が染みついているのではないだろうか?


今夏向け商品にはポリエステル混のTシャツが多数店頭に並ぶと思われる。現にジーユーはポリエステル混やレーヨン混のTシャツが多い。これは着心地や機能性以外に、高騰している綿の使用量を減らす目的もあると思われる。
綿花の価格は、昨年1月からずっと最高値を更新し続けている。当然、綿100%素材の価格は上昇する。そこでポリエステルやレーヨンを30~40%混ぜることで生地の価格を抑えることができる。低価格を売りにするジーユーの今春夏商品でポリエステル混やレーヨン混が多い理由は、生地値を低く抑える目的もあるだろう。


今夏は、例年にも増して年配男性から「ポリエステル素材へのぼやき」を多く聞くことになりそうな気がする。

ジーンズ専門店は商品構成比を変えるべき

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 さて、昨日、マックハウスの2011年2月期決算をまとめたが、
ファイナンス向けにジーンズメイトの2011年2月期決算が発表されているので紹介したい。
http://profile.yahoo.co.jp/independent/7448

それによると、ジーンズメイトの2011年2月期決算は

売上高142億8400万円(前期比15%減)
営業損失11億2200万円
経常損失10億8900万円
当期損失29億6100万円


と減収赤字に終わった。


概況が発表されていないのでなんとも言えないのだが、おそらくマックハウスと同じ理由ではないかと思う。
「リーバイス」や「エドウィン」などナショナルブランド(NB)の底堅さがなくなったこと、それからジーンズというアイテムがトレンドではなくなったこと、他のSPAブランドに押されたことなどが減収続きの理由だろう。

これまで何度も書いてきたが、ジーンズというアイテムが一部アパレルの独占できるアイテムではなくなってしまったこと、また、ジーンズを含めたボトムスの構成比率が異様に高すぎる店作りが限界に来ていると言えるだろう。

通常、トップス3枚に対してボトムスは1本しか買わないと言われている。
パンツ1本でトップス3枚を着まわすのが平均的な消費者の姿である。

そのため、比較的好調なショップではトップスの構成比率が3分の2でボトムスは3分の1程度に抑えてある。これがジーンズ専門店チェーンでは逆転していたり、半々くらいになっていたりする。


SPA化や新商品開発よりも、商品の構成比率を変えない限りジーンズ専門店チェーンはますます苦しくなるのではないだろうか?

東京開催にこだわるのは東京人の思い上がりでは?

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 昨日で東日本大震災から1カ月が経過した。
3月下旬に開催予定だったジャパンファッションウィーク(JFW)は中止になったが、今週からアパレルブランドやデザイナーズブランドの展示会や合同展が東京で開催されている。

それはそれで復興に向けて大変喜ばしいことだが、余震はまだまだ続いている。
昨日は震度6、震度5の大きな地震が2回あり被害が出た。また震度3程度の余震は東北、関東と毎日のように続いている。
今朝の「めざましテレビ」によると、1ヶ月間にマグにニュード5以上の余震はなんと400回あったという。
また福島原発もいまだに沈静化しておらず、日々放射性物質の拡散が報告されている。
1カ月が経過しても今回の震災と二次被害はいまだに継続中だ。


さて、中止になったJFWと併催予定だった合同展示会がいくつかあり、それらが今週以降に東京で開催される。JFWもそうだったが、合同展示会の集客目的として「海外バイヤー、海外プレス」と言うものが少なからず含まれている。海外来場者の集客は大きな命題の一つである。


4月に東京で開催される某合同展示会に出展をする関西拠点デザイナーと雑談をした。
デザイナーには現在、香港の取り引き先がある。デザイナー氏はこの香港の取り引き先を東京の合同展示会に案内することを断念した。理由はいまだに余震が毎日続いており、放射性物質の心配も一向に収束する気配もないからだ。
この香港の先によると、香港では地震は何年かに一度起こる程度で、直近だとスマトラ沖地震のときに少し揺れた程度であるらしい。震度1程度でも怖いという。
デザイナー氏は「震度1程度でも怖がっている海外の方を、震度3が毎日のようにある東京には招待できない」との決断を下した。

また放射性物質もその被害や症状がいくら情報を調べても諸説ありすぎてはっきりとわからない。とくに海外の方は「日本全土が放射性物質で汚染されている」(事実とは異なるが)と思っている。


このデザイナー氏は主催者に「今回特例措置として名古屋や京阪神で開催することはできないですか?」と尋ねたところ「東京以外の選択肢はありえないっしょ」と半笑いで返されたという。
海外からの集客を考えれば、今回は名古屋以西で開催する方がよほど効果がある。また地方客を呼ぶのにも効果があるだろう。子連れで展示会を廻るような地方小規模店のオーナーバイヤーなら関東以北に行くことには抵抗がある。


批判を覚悟で言うのなら、この状況下で「東京以外ありえないっしょ」という考え方は、東京人の思い上がりではないかと思う。集客が目的であるなら主催者はその効果が上がる場所で開催すべきである。平時なら東京がその最適地であるが、今回、地方・海外客の誘致を考えるのなら名古屋以西でする方がよほど効果がある。地方・海外客は東京に行くことを明らかに「リスク」と考えている。


先日、計画停電の打ち切りが発表された。ひとまず安心であるが、電力供給量は回復していないため東京圏は、今後も節電を続けなくてはならない。電力供給量を考慮するなら、大手企業の本社機能や東京圏の中小町工場を名古屋以西に暫定的(1年~2年間)に早急に分散移転させることが必要だと言われている。とくに繊維・アパレル業は名古屋以西、京阪神出身の大手企業が多い。本社もいまだに残っている。「東京でなければ」という思い込みは速やかに捨て去るべきだ。

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