南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

12月中旬に大コケした新規ガールズイベント?

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 12月の中旬に関西でガールズファッションイベントがあったと聞く。イベントの名前もわからないから本当に伝聞で恐縮している。
そのガールズイベントの集客が少なすぎて大コケしたと言われている。

以前も書いたように、現在ファッションショーといえば神戸コレクション、東京ガールズコレクション(TGC)に代表される、タレントやタレントモデルが服を着てステージを歩くと言う形式が広く認知されている。
そもそも論から言えば、このスタイルを確立したのは神戸コレクションであり、それを発展拡大させたのが東京ガールズコレクションである。

その後、雨後のタケノコのように(関係者各位失礼)、どんどんと○○ガールズショーや○○ガールズアワードなど類似イベントが登場し、今も登場しようとしている。しかし、これらがファッション振興に役立っているかと言えばかなり疑問だ。
観客(主に10代・20代の女性)は、タレントやタレントモデルを見に来ているのであり、彼女らがどのブランドの服を着ているかと言うのは興味の対象外にある。もっとあけすけに言ってしまえば、全員にトップバリュの衣服を着せてステージを歩かせても観客は誰も気が付かないだろう。

開始直後の神戸コレクションやTGCは出展ブランドの売り上げ拡大の役目も果たしていた。しかし、今は違う。ライトオンやマックハウスも今年春のガールズイベントに出展していたが、その後もずっと前年比15~25%減少を続けている。売上高は一向に回復していない。同じ論法で言えば、イオンもそうだろう。

そして、新しいイベントが打ち出されるものの先行イベントとの違いは、登場するタレントだけ。これでは、12月中旬に新規ガールズイベントが大コケするのも当然であろう。もう、その手のイベントには飽和感があるからだ。

かと言って、パリコレ、ミラノコレなどの形式と同様のファッションショーが見ていて楽しいかと言うとあまり楽しくない。静寂と単調なリズムが続くので1時間以上見続けると眠ってしまう。某専門学校の卒業製作ショーは2時間半もあるのだが、とても苦痛で最後まで見ていることはできない。途中で眠るか退席するかのどちらかである。

今後はタレント頼りではない、新しいイベントの形式を模索する必要があるだろう。タレントショーはTGCに任せておけば良い。同じ形式で新規参入したところで、規模でも知名度でも登場タレントでも勝てない。ならば違う方向性を模索するべきである。

タレントを登場させてファッションショーにエンターテイメント性を与えたのは神戸コレクション、TGCの功績である。今後の新規イベントは、それを踏まえつつさらに新しい要素を加えることが必要だろう。こういう自分もその新しいスタイルのビジョンは見えていないのだが。

コスプレイヤーが集まり始めたATC クールジャパンは掛け声倒れ

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 大阪の南港にATCという複合商業施設がある。バブルのピーク時に作られたのだが、バブル崩壊後は凋落の一途をたどり、アウトレットモール「マーレ」を施設内に開業したものの、客足がさっぱり伸びず、テナントも退店しておりゴーストタウンのようになっている。
バブル時の第3セクターの無責任な開発の見本のような建物である。

この1年はATCに行っていないのだが、先日、知り合いのデザイナー氏から「日曜日、久しぶりにATCに行ったら、コスプレイヤーたちの集結地になっている。コスプレイヤーのおかげで、施設内のサイゼリヤは長蛇の列ができるほど繁盛していた」と驚いていた。

ATC凋落の原因はいくつもある。
まず、一つは地下鉄から接続されて南港へ向かうニュートラムの料金が高すぎた。大阪・本町から往復するだけで1000円弱かかる。ニュートラム区間はわずか2,3駅に過ぎないのにだ。4,5年前にニュートラム料金は引き下げられたが、はっきり言って後の祭りである。対応が遅すぎる。

次に、かつてのテナント出店者によると、家賃が高すぎる。家賃はある程度変動しているが、3年前に聞いた話では「1坪10万円」との提示があったという。坪10万円の家賃は大阪なら梅田のテナント出店家賃と変わらない。同じ金額なら梅田で出店するに決まっている。
なぜそんな法外な価格設定なのかというと、第3セクターのお役所仕事の典型なのだが、建設時のバブルのころの家賃設定のままであることと、その家賃をアテにして建設費や施設内装費を費やしてきたから、今更家賃を下げることは赤字になってしまうからだという。
本当にバカも極まれりの話しであり、テナントも集まらず収入は低下の一途をたどっているのに、そんなことをのうのうと言う。

出店者が減少してゴーストタウン化しているのであれば、10坪の店を月額1万円の破格の値段で貸し出して、若手デザイナー事務所や独立したばかりのショップを誘致した方がよほど施設と近隣の活性化につながる。

で、その知り合いのデザイナー氏は「あれほどのコスプレイヤーが土日祝日に集結するのであれば、ATCは集客装置としてコスプレイヤーが利用しやすいような施設や設備を作って、さらにコスプレイヤーを集めたら良いのではないか」という。例えば、コスプレイヤーのためのお着替えルームやコスプレイヤーが買い物をしそうなコスプレ用具一式のショップ。またお金がないコスプレイヤーたちのための格安飲食店の誘致である。
施設内の飲食店で格安ジャンルに属するのがサイゼリヤしかないため、そこに集中してしまう。ならば、吉野家、すき家、松屋、ガストなどを誘致すればさらにATCに集うコスプレイヤーが増える。

例えば、国を挙げて「クールジャパン」を世界に発信しようと経産省は雄たけびだけを挙げている。クールジャパンに含まれるのは漫画、アニメ、特撮、ファッションである。しかし、実際は漫画、アニメ、特撮の文化振興につながるような施策を国が行っているだろうか?
麻生内閣が提案した「アニメの殿堂」は計画中止になり、東京アニメフェアも規制強化で開催が危ぶまれている。大阪府にしたところで、ATCの近隣のWTCに府庁を移転させる計画を立ち上げたものの、それ以外に南港の振興策は皆無である。

「クールジャパン」を標榜するなら、集積しつつあるコスプレイヤーをさらに集めるような施策を打つべきではないか。実態が伴っていないのに「クールジャパン」の看板だけ掲げてもちっともクールではないし、クールジャパンの海外輸出など画に描いた餅である。

来春から衣料品価格は上がる。もしくは品質は下がる。

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 12月にこれほど大々的にセールが行われていたのは、今年が初めてではないだろうか。もちろん今までからも「シークレットセール」「フライングセール」「メンバーズバーゲン」などと銘打っては、行われていたものの、どちらかというとひっそりやってますという感じだった。
しかし、今年はもはやセールのPOPで店頭が真っ赤である。

そのセールの値引き率も高い。ユニクロでも9990円のダウンジャケットが年末まで3990円に値下がりしている。
言ってみれば、衣料品のデフレも極まれりの状況にある。

他方、原料費は高騰を続けており、綿花、羊毛の値上がりがすさまじい。それに引きずられてポリエステルやアクリルの合成繊維まで値段がわずかずつ上昇している。さらに、中国の生産工場の人件費も上昇しており「中国で生産しても、国内で生産しても値段はあまりかわらない」くらいになっている。

このため、来年春物からは衣料品の値段が上昇しそうだ。
業界努力でもなく、政府の努力でもなく、原材料の高騰と海外工場の人件費上昇という外的要因であるところが笑えるのだが。

例えば、パルグループの大谷時正専務は「店頭価格は上がらざるを得ない」と分析している。
しかし、価格が上昇して厳しくなるのは、3900円までの低価格ゾーンであり、10000円の商品が11000円になっても固定客は買うが、1900円の商品が2900円になればそのゾーンの消費者は買わなくなる。
もっと最悪なことを考えると、低価格ゾーンの企業が価格据え置きを狙うなら、原料と縫製の品質を落とすしかない。
すなわち安い材料と安い縫製工賃で商品を作らなくては、価格据え置きができない。これまでより数段品質の劣る1900円商品が出来上がるというわけだ

低価格ゾーンではユニクロは、おそらく価格据え置きにするだろうと推測している。生産ロット数量がケタ違いに大きいため、なんとかコストを吸収できるはずだ。しかし、しまむらやハニーズ、ジーユー、リオ、タマヤなどはどうだろうか?
生産数量が中途半端だが、価格は安い。
最も影響を受けるのではないだろうか。

価格上昇で客数を減らすのか、価格据え置きで粗悪品を提供するのか、のどちらを選択するのかでその企業の姿勢が見えてくるのではないだろうか。

何はともあれ、海外状況のおかげで、衣料品のデフレは底打ちをしそうだ。

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