南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

ジーユーで590円に値下がりしたベルトを2本買ってきた

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 昨年夏にジーユーデビューを果たしてからちょくちょくと利用するようになった。

6月に入ってから、ベルトをジーユーで買った。
理由は値下げされていたからである。

ベージュのメッシュベルトが定価990円から790円に、レザー(本革)の細いベルトが定価1490円が790円に値下げされていた。
それがどちらもさらに200円値下げされて、590円になっていたから迷わずに買った。

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(590円で買ったメッシュベルトと本革の細ベルト)




昨年夏から今までジーユーで使った合計金額はざっと8000円程度である。
オッサンの目から見て、ジーユーのメンズはまだまだ「ツライ」と感じる商品が多く、頻繁には買わない。

が、中には良い物もチラホラと出てくるようになり、とくにベルト類は値段と品質、デザインをトータルで考慮すると、まずまずではないかと思う。

もちろん、髙いベルトはそれなりに高くなる要素はあるのだろうが、逆にベルトなんてよほどかっこ悪いデザインの商品を着用しない限りはさほど目立たたないから、安い物で十分だという考え方もありではないかと思う。
とくにカジュアルだと、タックイン(ズボンの中にシャツの裾を入れること)して着ることがほとんどないから、ベルトはあまり見えない。
見えないんだったら、ジーユーの590円ベルトでも良いのではないかと思う。

昔の量販店平場商品みたいにデザインがダサいなら、それを避けて高額なブランド品を買う必要性があったが、デザイン的にほとんどブランド物と差がなくなれば、低価格で十分という考え方の人が増えても当然だろう。

ジーユーのベルトのデザインは平均的で、決してダサくはない。
あえて言わなければジーユーの商品とはわからないだろう。

メッシュベルトはこのベージュだけが値下げされていた。
よほど売れ残っているのだろう。
ベージュのズボンに合わせるにはちょっと難しいが、黒や紺のズボンに合わせるならこの色でも使える。

個人的にはベージュのズボンを穿くことがほとんどないから、このベルトは使いまわせるだろう。

ベルト、とくに本革ベルトは今までは意外に値崩れしない商品で、知っている範囲でいうと1900円くらいが底値でたまに、投げ売られて990円になる程度だった。
ジーンズカジュアルショップや量販店の平場で並んでいるレザーベルトの底値は1900円くらいというのが個人的な認識である。

それが990円よりさらに安い790円、590円に値下がりしているのだから、すさまじい。
590円の本革ベルトなんてバッタ屋よりも安い。


昨年末の12月30日にオッサン3人で忘年会を開催した。
オッサンのオッサンによるオッサンのための忘年会である。

で、1次会はお開きになって1人が帰宅したので、もう1人と一緒にその人の知り合いが経営している洋風居酒屋?に行った。

その店を経営している人は近鉄百貨店の元部長だという。
脱サラをされて店を始めたとのことだ。

50代後半くらいの方で、まあ、その年代のサラリーマンと比べると前職の影響からオシャレな感じがそれなりに漂っていた。

黒いズボンに黒いタートルセーター、黒いジャケットという黒づくめだが、シルエットは今風のそこそこの細目だった。

で、何かの拍子に洋服の話になって、「今日着ている服は全部ユニクロとジーユーなんです」とのことだった。
たしかによく見ると、ジーユーの服は素材が微妙に安物臭い。
しかし、作業着も兼ねて店で着用するならそれで十分だろうし、黙って着ていたらまったくどこのブランドかわからない。

「最近、ジーユーにもちょくちょく良いデザインが増えてきたから、ユニクロとジーユーで十分です」なんていう感想を述べられた気持ちもよく分かる。


先日も790円のトレーニング用のTシャツと短パンを買ったが、「なんちゃってランナー」の自分としてはこれで十分だし、週に2~3日に1時間ずつしか着ない運動着に高いカネは払いたくない。


ユニクロはもとより言うまでもないが、ジーユーでもこれほどの低価格でデザイン性を両立させられてしまえば、既存の中途半端なブランドはますます苦しくなる。

そことの差別化を図るために製造手法だとか日本製だとかを打ち出してきたが、ニッセンやベルーナまでが低価格で日本製製品を打ち出すようになれば、それとても通用しなくなる。


業界には相も変わらずユニクロとジーユーへの反発、怨嗟の声が溢れているが、そんなものは消費者へは届かないし何の影響も及ぼさない。ビジネス面、デザイン面の両面でブランドの在り方がますます問われることになるだろう。



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表面的な低価格だけを真似て、本質的なサプライチェーンマネジメントを真似ずに凋落した国内大手アパレル各社

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 無印良品が今秋物から一部商品の価格を値下げするそうだ。

https://www.wwdjapan.com/427449

無印良品を運営する良品計画は、今年の春夏に続き、秋冬にも衣料品113点を値下げする。工場を集約すると共に、下着類はファミリマートやサークルKなどのコンビニ約1万8000店舗での展開による大量生産でコストを削減。品質を維持しながら合理化を徹底し、価格を改定することで集客力を高める。秋冬衣料は8月から順次販売する。

紳士用ボクサーブリーフは2枚セット価格を1490円から990円に、婦人用ショーツも同1490円から1290円に値下げする。さらに、秋冬から強化する軽量ダウンは、ブルゾン型を7980円から5990円に、ベスト型を5980円から3990円に値下げする。


とのことだ。

今回の値下げの要因は下着に関しては、コンビニ1万8000店で販売するというスケールメリットを生かしたものだ。
例えば、1店舗あたりに20パックを配布するとして、全店合計すると72万枚(36万セット)のボクサーブリーフが生産できることになり、これほどの枚数があれば、1枚当たりの工賃を引き下げることも、生地値を安くすることも可能になる。

軽量ダウンが安くなる要因は書かれていないが、工賃を叩く以外にも、閑散期に注文する、製造枚数を増やすなどの手法で安くできる。
とくに縫製工場は閑散期に仕事が入ると経営者としてはありがたいから、ダウンに限らず、縫製工賃を安めに設定してもらえる。
この手法は初歩の初歩である。

ユニクロしかり、ジーユーしかり、この無印良品しかり、だが、いよいよスケールメリットのある大資本と、スケールメリットのないそれ以外の弱小アパレル(かつての国内大手アパレルも含む)との差がさらに顕著になってきたと感じる。

ところで、じゃあ、どうしてかつての国内大手アパレルがこの手法を使えなかったのかについて、手短にまとめてみたい。
衣料品生産についてお詳しい方は読む必要がない。極めて基本的なことなので。

ワールドを例に出してみよう。
売上高が3000億円弱あり、年商規模からいえば、相当に大きい。
ジーユーは2000億円弱だからそれよりも大きいことになる。

だったらジーユーと同じスケールメリットを生かした生産方法で、低価格商品を実現できそうなものだが、現実はそうではない。

ワールドでいえば、ピーク時に100前後もブランドがあった。
今はある程度廃止しているが、それでも50ブランドは上回る。

ワールドとしての店舗数でいえば、かなりの店舗数があるが、各ブランドごとの店舗数で見ると、それほど店舗数は多くない。
おわかりだろうか?

100ブランドで1000店舗あっても、1ブランドあたりの平均店舗数は10店しかない。もちろん、実際の店舗数はブランドの強弱によって多い少ないの差は出てくる。
ドレステリアのように5店舗ほどしかなかったブランドもあれば、200店・300店展開するブランドもある。
しかし、無印良品のコンビニ1万8000店と比べると桁違いに少ない。

また、ジーユーは1ブランドで2000億円の売上高があるが、ワールドは100ブランド併せて3000億円である。
となると、1ブランドあたりの売上高はせいぜい200億円とか300億円程度が頂点である。
ジーユーとワールドの各ブランドでは、ブランド規模としては圧倒的に差があるということである。

ユニクロに対しても同じだ。
ユニクロは1ブランドで国内売上高8000億円ある。

となると、ユニクロ、ジーユーに比べると、ワールドは1ブランドあたりの売上高が小さく、売れる枚数も少ないということになり、店舗数から考えても、1ブランドあたりの売り上げ規模から考えてもスケールメリットは発揮できない。
これはワールドに限らず、オンワード樫山、三陽商会、TSIホールディングス、イトキン、すべて同じである。
違うのは抱えているブランドの数だけだ。

自社の特性を知ったうえで、価格維持政策を旧大手アパレルが採ればよかったのだが、98年のユニクロブームに慌てふためいて、スケールメリットがないのに低価格対応したことが、大手の凋落する原因の一つにもなった。

スケールメリットがないのに価格対応をすればどうなるかというと、原価率・工賃を下げ、商品が粗悪品になる。
おまけにPOSデータへの過剰な信頼による売れ筋の無限リピート生産と他社の売れ筋丸パクリ、OEM/ODM生産への丸投げが相まって商品は自社内だけではなく、他社間でも同質化してしまった。

品質が悪い上に各ブランドでデザインが同質化してしまったなら、そんな商品が売れるわけもない。売れなくて当たり前である。しかも価格はユニクロよりも微妙に高いままであり、売れるはずがない。


旧大手アパレル各社は、ユニクロの表面的な価格だけを真似、スケールメリットを生かしたサプライチェーンマネージメントという本質を真似ることを考えなかった。


旧大手アパレル各社は負けるべくして負けたといえる。
まさに「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」である。



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誰がアパレルを殺すのか
杉原 淳一
日経BP社
2017-05-25



多動力 (NewsPicks Book)
堀江 貴文
幻冬舎
2017-05-27





低価格「日本製衣料」が市場に溢れている現実

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 販売において「モノ」より「コト」が重要といわれ始めてけっこうな年月が経過しつつある。
また「スペック」の高さのみを誇る売り方も否定されて数年が経過している。

にもかかわらず、そうした売り方から脱却できないでもがいているのが、衣料品の製造・販売である。
何も「嘘で塗り固めた偽善臭いフィクション」の物語を作れとはいわないが、「モノ」「スペック」のみの売り方から脱却できずに不振に陥っている。

そういえば、「日本製」という売り文句も最近では効力がなくなってきつつあると感じる。
価格競争から抜け出すために「日本製」を振りかざすブランドが増えた。
今ではかなりの安物にまで「日本製」のタグが付けられており、「日本製」ということのみではブランドステイタスの確立に何のプラスにもならなくなってきていると感じる。

例えば、バッタ屋の聖地である天神橋筋商店街を歩けば、日本製のタグが付けられた衣料品が1000円未満で売られている。
日本製靴下(たぶん奈良か加古川製)は100円、泉州タオルも100円である。
今治タオルもときどき見かけるし、大阪の愛媛県事務所の前に行けば200円で販売されている。

日本製衣料品といっても、受注分だけをきっかりとオーダーのように作られているわけではなく、ある程度量産されているものだから、どうしても売れ残り在庫が発生する。
もしかしたらブランド側からの不法返品や不法未引き取りもあるかもしれない。

だから、その在庫をバッタ屋に販売するというのは当然である。
廃棄すれば廃棄料がかかるがバッタ屋に売れば少額とはいえ、現金収入になる。

まあ、天神橋筋商店街のバッタ屋はウェブで情報発信はしていないから、全国へ情報が拡散する可能性は低い。
しかし、それ以外でも大手企業が意外な安値で「日本製」衣料品を販売しており、こちらはウェブで全国へ拡散する。
こうした状況では、最早「日本製」という「スペック」だけでは売り文句にはならず、今度は「日本製」の価格競争が行われているといえる。

そして、大手カタログ通販各社も盛んに「日本製」を打ち出しており、こちらの価格競争は激化するばかりである。

例えば、ベルーナのこの「日本製」。

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3990円~である。この値段ならユニクロの商品とそんなに変わらない。

例えば、セシールのこの「日本製」のページ。

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実に113ページもある。これほど大量の「日本製」が売られている。

同じ状況はベルメゾンだ。

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20393件の日本製が売られている。

ニッセンだって日本製パーカを売っている。

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4990円だから無印良品と同じくらいの値段である。

これほど大量のしかも低価格の日本製がウェブの中にはあるということで、今回はこの通販大手4社を紹介したのみなので、探せばもっと数多くのブランドが低価格の日本製衣料を販売していると考えられる。


この状況で果たして「日本製」という文言に効力はあるのだろうか。
最早、日本製を消耗しつくしつつあるのではないかとも思う。

人件費がアジア地区よりも高いであろう、日本で作られている衣料品がユニクロや無印良品と同等の価格で売られていたら、なんとなく「買ってみようか」と思う人も多いだろう。筆者もその一人である。
また「買ってみよう」とは思わなくても何らかの注意を引くことはできるだろう。

その効果はまだ「日本製」に残っているとは感じるが、それだけではないか。

「日本製」だから高くても買ってもらえるなんてことはもうありえないだろうし、「日本製」だから希少価値があるとも言えない。
セシールには113ページ分の、ベルメゾンには20393件もの日本製製品がある。

ウェブ全体で探せばそれこそ無限に近い数の「日本製」があるだろう。

こうなると、「日本製」という「スペック」のみで商品は買ってもらえなくなる。
そこには何かしらの「コト」「ストーリー」作りが必要になるが、国内のアパレル企業も製造加工業者もそのあたりをデッチ上げるのは下手くそで、外資系アパレルはそのあたりのデッチ上げが上手いと感じる。
外資系アパレルやラグジュアリーブランドはそのあたりのデッチ上げ方が実に狡猾である。

日本製商品を作り続けて売り続けたいのなら、外資系アパレルくらいに狡猾になる必要があるのではないかと思う。





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